最終回の授業で先生に講義のお礼を申し上げると、「本郷で待っています」と、にこやかにおっしゃったんです。そのお言葉に感激して、「はい!」と何の迷いもなく法学部への進学を決めていました(笑)。

 勉強方法に悩むこともありました。それまでとてもいい成績を取れていたのに、2年の冬から本格的に始まった法学部の授業に全然ついていけなかったんです。スタートラインはみんなと同じだったはずが、自分だけわかっていないという感覚に陥りました。

 諦めずに勉強を続けるとだんだん理解も進みました。勉強するために入学したんだから、試験が終われば覚えたことをすべて忘れてしまうような勉強では意味がない。最大限長く在籍してじっくり学ぼうと決めたんです。みんなと同じペースでなくていい。学期ごとに科目をしぼり、少しずつ単位を取りました。

※記事の後半<<46歳で東大合格、声優・佐々木望「10代の頃迷いっぱなしだった」 転機となった言葉>>に続きます。

(構成/編集部・福井しほ)

AERA 2022年6月6日号より抜粋

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