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 5月21日に公開されたドキュメンタリー映画「私のはなし 部落のはなし」は、35歳の満若勇咲さんが監督を務めた。満若監督は大阪芸大在学中に食肉センターを舞台にしたドキュメンタリー「にくのひと」を完成させたが、被差別部落の地名が登場するなどの理由で部落解放同盟から公開中止を求められ、出演者との信頼関係が維持できず、劇場公開を断念せざるをえなかった経験をもつ。以来十数年。プロデューサーに「なぜ君は総理大臣になれないのか」の大島新氏を迎え、差別の現況と差別根絶の妨げになってきたものは何かを考える。大島プロデューサーに話を聞いた。

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 私が“押しかけプロデューサー”になったのは、「にくのひと」のことを聞いたのが大きかったですね。ドキュメンタリーで被写体とトラブルになることは、なくはない。でも、劇場公開を断念した作品の落とし前をつけたいというのはまれ。しかもこういうセンシティブなテーマですからね。

 私が今回、監督にお願いしたのはひとつだけ。前作の「にくのひと」の経緯とそれに対する自らの思いを入れこむこと。監督は迷っていたみたいですが、最終的には受け入れてくれました。

 参加を決めたもう一つのポイントは裁判が続いている「全国部落調査」復刻版事件(注)被告の宮部龍彦さんの取材ができているというのもありました。「何でああいう人を出すのか」とお怒りになる人もいるでしょうが。大事なことは、宮部さん的なものがどういうところから生まれてくるのか。本人にきちんと話を聞く。そこから見えてくる、現代の記録としての意味はあると思っています。

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