そう語るのは、同大経済学部出身の演出家・テリー伊藤さん(72)だ。
「日大の一連の騒動で感じたのは、学生がもっと行動を起こしてもよかったんじゃないかということ。僕が日大生だったときに学生運動をしていた、ということもあるかもしれないけどね」
そのうえで、テリーさんは学生へ情報を発信することの重要性を強調する。
「でも日大が変わるには彼らの力が欠かせない。まずは何をするのかを公約として明らかにすることが大事。林さんが何をしようとしていて、何を考えているのか。それをSNSでもライブ配信でもいいから、発信していく。そういったパワーが必要だと思います」
発信することは「体制に丸め込まれないためにも必要」だという。
「何ができないのか。それはこういったところから圧力がかかっているからだとか、それを学生たちにきちんと示す。彼らに取り入っていくことですね」
また、トップに立つ人には“ある能力”が必要だと、経験から感じるという。
「僕は、今まで4人の都知事を見てきましたけど、皆さん職員を使うのがうまいです。自分ができないことを下の人に任せているんですよ。『人をうまく使う能力』は必須だと思います」
そしてこう言う。
「今度の理事長という職は、落下傘で伏魔殿に飛び込んでいくようなもの。体制の中で“革命”を推し進めていく能力も必要になる」
テリーさんらしいエールも。
「タックル問題や前理事長の件があって、いまの日大生は肩身の狭い思いをしてきたんじゃないかな。合コンに行っても、『日大生だ!』って負い目を感じて言えなかったんじゃない? 林さんには学生が誇りを持てる学校にしてほしいですね」
さらにこう続けた。
「僕みたいに破天荒な人間をサポート役として起用するとかいいんじゃない。起用してくれたら、喜んで働きますよ。残念ながらまだ話は来てないですけどね」
(本誌・唐澤俊介)
※週刊朝日 2022年6月17日号