タックルながい。(撮影/中西正男)
タックルながい。(撮影/中西正男)

 細やかなのか、豪快なのか、どっちとも言えない話でもありますけど(笑)、本当に愛のある、そしてみんなから愛される人でした。

 なので、島木師匠のキャラクターを引き継がせてもらうということは、そういった生きざまも引き継ぐということ。そう思って、生活するようになりました。

 スタッフさんにも本当にやさしい方でした。豪快なルックスとは裏腹に「そこまで見てらっしゃるのか」と思うくらい気遣いもされる。

 さらに、師匠はプライベートでも変装的なことは全くせず常にあのまま。そして、周りの人が気づいたら自分から「写真でっか?取りましょ、取りましょ。サインもナンボでもしまっせ」とホンマにサービス精神旺盛な方でした。

 そんな方の弟分を名乗らせてもらうので、細かい話ですけど、劇場楽屋口からの帰り方も変わりました。これまでは出待ちのファンの方がいらっしゃっても会釈するくらいだったんですけど、今は大きな声で「ありがとうございます!」とあいさつするようになりました。

 ま、その人たちは僕を待ってるわけではなく、他の人気者の出演者さんを待ってるんですけど(笑)、それでも元気よくあいさつをする。そこは明らかに変わりましたね。

 そして、売れたいとか、皆さんに知ってもらいたいという思いももちろんないわけではないんですけど、今の目標は「皆さんから愛される人間になること」。その設定も新たに調整しました。

 先日、島木師匠の奥さんのところに行ってお線香をあげさせてもらったんですけど、僕が引き継がせてもらうことを奥さんも喜んでくださってました。

 そして、お仏壇に手を合わせた時に島木師匠の声が聞こえてきたような気がしたんです。「思いっきりやったらエエんです」と。そこで背中を押されたというか、覚悟が定まった感じがしました。

 いつも島木師匠がおっしゃっていたのが「自分のやりたいことを思いっきりやったらエエんです」という言葉でした。

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パチパチパンチで「こんなにウケるものなのか」