2016年に逝去した島木譲二さんの“弟分”としてギャグや衣装を引き継ぐことになったのが、吉本新喜劇のタックルながいさん(48)です。報徳学園、法政大学、ホンダとラグビーのエリートコースを歩んできた体格と存在感を見込まれ、吉本新喜劇ゼネラルマネージャーの間寛平さんから打診を受けました。歌舞伎役者や落語家のように“二代目”を名乗る流れは新喜劇初。その恍惚(こうこつ)と不安、そして、実際に生前の島木さんからもらっていた言葉とは。
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今年2月に寛平師匠からお電話をいただいたんです。「お前、島やんに似てるなぁ。もう一回、島やんのキャラが出せたらと思ってんねん。近々頼むと思うから過去の映像を見といてくれる?」と言われました。
最初は何かの企画的に一回だけやるのかなと思っていたら、どうやら継続的にやると。そこから一気に重圧を感じました。新喜劇で誰かのキャラクターを引き継ぐということは今までなかったですし、その意味のプレッシャーも乗っかってきました。
いや、本当にね、島木師匠という存在が大きすぎて、重たすぎて。実際、師匠が現役バリバリの頃もご一緒させていただき、よく飲みに連れて行っていただきました。本当にお世話になっていたので、その分、真正面からずっしりと重みを感じることになりましたね。
もう20年近く前、僕が新喜劇に入った当時、島木さんの子分役で舞台に出してもらっていたんです。緊張でドキドキやったんですけど、いつも「任せなはれ。見といたらエエさかい」とやさしく、頼もしく、包んでくださっていました。
僕はラグビー、島木さんはプロボクシング。競技は違っても何か通じるところがあったのか、本当にかわいがっていただきました。
難波にあるビアレストランにもよく連れて行ってもらって。二人だけやのにお店の人に「すんまへん、生ビール10杯もらえますか」とおっしゃるんです。他に誰か来るのかなと思ってお尋ねしたら「いやいや僕らだけです。お店も忙しいし、先に言うといた方が迷惑かけへんから先に頼んどきますねん」と。