「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系)
「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系)

 同じく日テレ系では、水曜22時から放送される「家庭教師のトラコ」も要注目。橋本愛が演じるヒロイン「謎の家庭教師・トラコ」が、<年齢も抱えている問題もバラバラの3人の母親と3人の子供を救う個別指導式ヒューマンドラマ!>(公式サイトから)だという。碓井さんがこう語る。

「誰もが気づくと思いますが、タイトルが『家庭教師のトライ』のパロディーですよね(笑)。脚本の遊川和彦さんが手がけ大ヒットした『家政婦のミタ』を思い起こさせます。橋本愛さん演じる謎の家庭教師・トラコも、ミタさんのミステリアスさと重なる。そんなトラコが『指導』するのはセレブママ、ワーキングママ、バツイチママ。お金教育という裏テーマがあるようですが、遊川さんがどう描いてくれるか、想像がふくらみます」

「競争の番人」(フジテレビ系)
「競争の番人」(フジテレビ系)

 フジテレビは、いわゆる「月9」枠にまず注目が集まる。今回は、公正取引委員会を舞台に坂口健太郎と杏がダブル主演でバディを組み企業の不正を暴く「競争の番人」。坂口は月9初主演、杏は15年の「デート~恋とはどんなものかしら~」以来、7年ぶりの月9主演となる。

■“じゃないほう”公取委どう描く

 前出の吉田さんは公取委という舞台に注目する。

「『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(19、21年)では放射線技師、『イチケイのカラス』(21年)では弁護士、検察官ではなく刑事裁判官が主役と、このところのフジの月9は、今までドラマで描かれてこなかった職業にスポットを当てることが多い。私はこれを個人的に『月9の“じゃないほうシリーズ”』と呼んでいるのですが(笑)、今回も公取委を描くというところで、どんな“ズラし”の妙を描いてもらえるのか、楽しみにしたいです」

 碓井さんは、この作品の制作陣にも注目する。

「原作は4月期の月9ドラマ『元彼の遺言状』と同じミステリー作家・新川帆立さんの最新刊。同じ作家の連続起用はフジテレビ初の取り組みということで、注目したいですね。新川さんは東大法学部卒で司法試験に合格、大手法律事務所での勤務経験もある人物ですから、公取委という新鮮な舞台をどう描くのか楽しみ。その原作をもとに脚本を担当するのが『半沢直樹』や『下町ロケット』など日曜劇場でおなじみの丑尾健太郎さんというところも、期待が高まります」

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