骨盤が立った姿勢を保つためには、おさんぽ整体の実践がいいという。三つの歩行パターンがあり、それぞれ1分間の計3分間が1日分。小林さんは「まず3週間続けてみると、歩き方が変わり、歩幅が伸びてきます」と話す。
おさんぽ整体の一つ目は「お尻押さえウォーク」。お尻に両方の手のひらをあてて1分間歩く。骨盤が前傾している人は、お尻が後ろへ出っ張っているので、軽く押さえるようにする。手をあてて歩くと、お尻の筋肉が動いていると感じることができるので、確認してほしいという。
二つ目は「おなか押さえウォーク」。へそ下の下腹部を両手で押さえながら1分間歩く。そうすると、おなかの筋肉が使われていると感じられるので、確認してみよう。
三つ目は「だらーんウォーク」。体の力を抜いて歩く。これまでの二つの歩行で、肩が張るなどのストレスが生じており、これを解消するために腕をだらーんと垂らす。
これら3パターンの歩行では、いずれも「軽く大股で歩く」のがいいと小林さんはアドバイスする。普段の歩幅の3~5センチくらい大股をイメージするといい。神経質に数値にとらわれずに、軽く大股で歩くことを意識すれば大丈夫とも。
だらーんウォークのときには「足がスムーズになっていることに気が付き、勝手に大股になっている」(小林さん)。
■床に座るのは腰にすごく負担
これら3パターンの歩行をすると、その場で効果が出るという。姿勢が良くなり、使われていなかった筋肉が動き出すため。一方、小林さんは「体には慣れがあり、元に戻ってしまう」とも話す。まずは3週間続けることを目標にして、その歩き方に体がなじむようにしたい。
改善状況は人により、「どんな生活をしているかで違ってくる」とも小林さんは指摘する。たとえば、デスクワークが中心の人は、どうしても前傾するなど、姿勢が悪くなりがち。
コロナ禍で在宅テレワークが増えており、パソコンに長時間向き合って仕事をする人が多くなっている。そのため、小林さんは「腰痛の人が増えている」という。机と椅子との高さなどが合わないと、姿勢が悪くなることがある。床に座るのも姿勢に良くないという。床に座ることで、背中が丸くなり、腰にすごく負担がかかる。