■厳格なマナーは不要
「貴族の習慣としてはじまったアフタヌーンティーですが、3段スタンドのスタイルになったのはホテルで提供され始めてから。なので、現代のアフタヌーンティーでは厳格な貴族のマナーを意識する必要はないです」
新宅さんに基本マナーを教えてもらった。とはいえ、かしこまりすぎても楽しめない。マナーを守りつつも肩ひじ張らずに、優雅に過ごしたい。
さて、本場の欧州に倣って、お酒も楽しめるお店はないだろうか。見つけたのが「プルマン東京田町」。2018年にオープンしたスタイリッシュなホテルで、ロビーラウンジの「JUNCTION」で午後2時半から「ハイティー」が楽しめる。
![【プルマン東京田町JUNCTION】
辛党にもおすすめのハイティー。ハイティーは午後5時以降のスタートが多いが、ここでは午後2時半から楽しめる。「スパークリングワインのフリーフロー付き」は税込み6千円、「シャンパンのフリーフロー付き」は同8千円(photo 写真映像部・松永卓也)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/6/6/682mw/img_666352445e9c028821e50edd5c1265b665466.jpg)
ハイティーとはアフタヌーンティーより遅い夕方から夜にかけて開く食事を兼ねたお茶会のこと。紅茶だけでなくアルコールもたしなむのが定番だ。
■次は「ハイ活」がくる
この店では、スパークリングワイン、イタリアをテーマにした白&赤5種類ずつのワイン、ドイツの「ロンネフェルト」の紅茶など16種類とコーヒーが自由に飲める(2時間制)。
食事類も充実しており、オリエンタルな木製スタンドには、チーズ3種やジュレをのせたカツオのたたきなど、お酒に合うおかず系がそろう。名物のステーキサンドイッチは美味(おい)しいうえにボリューミー!
![【プルマン東京田町JUNCTION】(photo 写真映像部・松永卓也)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/1/5/840mw/img_15722dce8d89f0142a75f7910c94e91242789.jpg)
ハイティーを始めたのは今年3月。仕掛け人は料飲部長の佐藤一徳さん(38)だ。自身が辛党で「午後から『ちょっと一杯』ができる、雰囲気のいい店がない」と発案した。コロナ禍でホテルの稼働率が下がり、新しい集客のアイデアも求められていたという。「貴族が始めたアフタヌーンティーと違い、ハイティーは労働者階級が発信した文化といわれています。仕事終わりにパブで一杯、のような感じですね」(佐藤さん)
![【プルマン東京田町JUNCTION】(photo 写真映像部・松永卓也)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/d/1/840mw/img_d1675e191efae0f39d461c74c3feea2d42021.jpg)
実際、仕事帰りに一人で来る女性客、男性客も多いそう。7月からはワインのテーマが変わり、白はリースリング、赤はピノ・ノワールを産地別に5種類ずつそろえる予定だ。当日予約も可能だそう。
ヌン活の次は、「ハイ活」にハマりそうだ。(フリーランス記者・中村千晶)
※AERA 2022年7月18-25日合併号
![](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/4/d/120m/img_4dada8ca82728cf041e1cacfa35d301b238733.jpg)