コンピュータはどうやってコードを読む?
バイナリ
コンピュータは、オンとオフのふたつの状態を持つ電気回路を使って、情報を処理するけれど、コンピュータ科学者は、オンとオフの状態を表すのに、数字の1と0を使う。
この1と0の列は、バイナリまたは機械語というエンコードの一種だ。
バイナリには、0と1のどちらかの数字しかない、と覚えておけばわかりやすい。
バイナリでは、数字の1と0が使われることが多いけれど、実は「オン」と「オフ」とか、「○」と「×」で表したってかまわない。
単語、数値、文字、記号、画像、動画、プログラム、絵文字、音楽は、みんなバイナリで表現できるのだ。
コンピュータのCPUは、機械語で書かれた命令しか読めない。
だから、人間がコンピュータにプログラムを入力したあと、コンピュータプログラムは必ず、バイナリ形式の機械語に変換されるのだ。プログラムを機械語に変換する(置き換える)プロセスのことをコンパイルという。
画面上に「Hello, World!」と出力するのに、どのプログラミング言語を使ったとしても、機械語はまったく同じになる。
数値をバイナリで表現する
バイナリは、数値を使って数をかぞえたり、数値を表現したりする方法のひとつといえる。バイナリは、0と1の2種類の数字を使うことから、2進法とも呼ばれる。一方、みんながいつも使っている数のかぞえ方は、10種類の数字を使うので、10進法と呼ばれる。10進法の場合、それぞれの桁の値は、そのすぐ右の桁の値よりも、10倍大きくなる。数値が大きくなるたびに、左側に新しい桁を追加していくのだ。
バイナリの桁の値:それぞれの桁の値は、その右の桁の2倍。
数値1をバイナリで表すには、1の桁に「1」と書けばいい。
じゃあ、数値2をバイナリで書くとしたら、どうすればいい?
バイナリには、「2」という数字はない。だから、1の桁に0と書いて、左へひとつ移動し、2の桁に1と書けばいいのだ。
1の桁は0なので、桁の値は0×1で0。
2の桁は1なので、桁の値は1×2で2。
ふたつの値を足すと、0+2なので、2になる。
基本的な足し算を使うだけで、バイナリの値が求められる。
コンピュータみたいに、バイナリを「1」と「0」の代わりに、「オン」と「オフ」で考えてもいい。
文字をバイナリで表現する
最初、コンピュータは、数学の計算をするためだけに使われていたけれど、その後、文字や記号をバイナリで表現する方法も開発された。
ASCII(アスキー)とは、一つひとつのアルファベットや記号に、専用のバイナリコードを割り当てたもののこと。
それぞれの文字に数値を割り当て、それをバイナリへとエンコードしたものだ。
たとえば、大文字のAには、65という数値が割り当てられている。
これをバイナリで書くと01000001になるのだ。