なぜ韓国人旅行客ばかりが「わさびテロ」に遭うのか
「これはさすがにやりすぎだ。再発防止のためにもみんなでレビューに書き込むべきだ」
「反日感情をあおるいつもの自作自演だろ!寿司店は威力業務妨害で訴えるべきだ」
新年早々、日韓ネット民のののしり合いが始まってしまった。
事の発端は今月7日、韓国のネット掲示板上に、福岡の寿司店を訪れた韓国人観光客が「わさびテロに遭ったようです」というタイトルで、わさびがてんこ盛りになった寿司の画像を投稿したことだった。かの国ではテレビが取り上げるほど注目を集めて、この寿司店のレビューに低評価や抗議が書き込まれる、「レビューテロ」にまで発展した。
そうなると当然、日本の愛国心あふれる人々は黙っていない。目を皿のようにして投稿画像を検証して、「盛り方が不自然」「後から自分でわさびを足したのでは」と自作自演説を唱えている。
…と聞くと、2016年の「わさびテロ」騒動を思い返す人も多いだろう。この時も韓国人観光客が、大阪・難波の寿司チェーン店で被害にあったとネットで訴えて日韓両国で大騒動に発展した。この時、ほどなくして店の運営会社が、韓国人観光客らの指摘を「事実」と認めて公式HPで以下のように謝罪をした。
<すしに多くのわさびを乗せていた件ですが、こちらはそのような事実がありました。海外から来られたお客様からガリやわさびの増量の要望が非常に多いため事前確認なしにサービスとして提供したことが、 わさびなどが苦手なお客様に対して不愉快な思いをさせてしまう結果となってしまいました>
そこで皆さんが不思議に思うのは、なぜ韓国人観光客ばかりが「わさびテロ」の被害にあってしまうのかということではないか。
もちろん、今回の場合、一部で指摘されているように「自作自演」である可能性もゼロではない。ネットやSNSで人々の注目を集めたくてデマやかなり盛った話を投稿してしまう“承認欲求の塊”みたいな人というのは、日本にも韓国にも一定数いらっしゃるからだ。
ただ、7年前は韓国人観光客側の指摘が正しかったわけで、そういう「前例」がある以上は、今回も同じように、店側が何かしらの理由で、大量のわさびを用いたと考えた方が理にかなっている。
そこで筆者が最も可能性が高いと考えているのが、「日本のマニュアル主義が招いたすれ違い」だ。