東証ETFを身近に感じる例を紹介しよう。通常の投資信託「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」をご存じだろうか。つみたてNISAで純資産総額トップの人気を誇るが、この東証ETF版が「MAXIS米国株式(S&P500)」(2558)である。
実はこの二つ、中身は同じものである。「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(通常の投資信託)でも、「MAXIS米国株式(S&P500)」(東証ETF)でも、まったく同じ運用をしているのだ。入り口は異なるが、同じ建物に入るイメージだ。
eMAXIS Slim米国株式と、MAXIS米国株式の大きな違いは「分配金がもらえるか、もらえないか」にある。
eMAXIS Slim米国株式は、ファンド内で分配金が出ても投資家には支払われず、再投資に回る。効率よくお金を増やすためだ。一方、東証ETFのMAXIS米国株式は分配金が出る。
純粋に<お金を増やす>という目的ならeMAXIS Slim米国株式に軍配が上がるのだが、東証ETFは<お金を増やしつつ、分配金ももらう>ことを目的に買いたい。定期的にもらえる分配金が、老後や早期リタイア後の暮らしの助けになるからだ。
たとえばあるETFを1000万円持っていて、分配金利回りが2%なら、年20万円(税引き前)の分配金がもらえる。1カ月あたり約1万7000円はちょっとした小遣いになる。
現在、東証ETFは266本あるが(2022年7月8日現在)、おすすめはどれだろう。ビギナーにも買いやすく、長期保有のつもりで毎月こつこつ買い増したいものを11本、選んだ。
順番に、カウントダウン方式で紹介していく。