つみたてNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)で投資信託を積み立てる人が増えた。そんな中、「次に来る金融商品」として話題になっているのが東証ETFだ。
【グラフ】一括投資と積み立て投資を比較!プラスになったのは?
ETF(Exchange Traded Fund)を和訳すると、上場投資信託。東京証券取引所(東証)や、米国のニューヨーク証券取引所などに上場している投資信託である。
東証ならトヨタ自動車やソニーグループ、ニューヨーク証券取引所ならP&Gやマクドナルドといった個別株と同様、ETFは証券取引所に上場している。そして「東証ETF」とは、東証に上場しているETFのことを指す。
個別株の株価が動くのと同じように、東証ETFの値段も取引時間中に動く。ちなみに、通常の投資信託の値段の更新は1日1回だ。
買い方も個別株と変わらない。個別株と同じように4ケタの数字の証券コードがついており、買いたい口数を指定して証券会社で売買できる。値段を指定して買う「指値(さしね)注文」や、値段はいくらでもいいから買う「成行(なりゆき)注文」もできる。
売買手数料も個別株と同じ。SBI証券や楽天証券、auカブコム証券では1日の約定(やくじょう)代金100万円以下、松井証券では同50万円以下なら無料で取引できる。
個別株と異なるのは、購入後、ETFの保有中に信託報酬という運用コストが発生する点。これは運用をプロに任せる意味で支払うお金だ。信託報酬の水準は東証ETFの種類によって異なるが、年0.1%以下とリーズナブルなものもある。
さて、東証に上場している投資信託というと「中身は日本株……?」と思われそうだが、それだけではない。もちろん日本株が組み入れられたものが多いが、米国の「S&P500」や「先進国株式」に連動する東証ETFもある。通常の投資信託でも人気の海外指数だ。
ナスダック100、NYダウなど米国のメジャーな指数も一通りそろう。米国以外では欧州、インドなどの株式が組み入れられたものも。国内外の債券、国内外のリート(不動産投資信託)、金(ゴールド)も東証ETFで買える。