第1話「空を読む」のシーン。8月13日からBSスターチャンネルで放映。スターチャンネルEXでも配信中(c)2022 東北新社
第1話「空を読む」のシーン。8月13日からBSスターチャンネルで放映。スターチャンネルEXでも配信中(c)2022 東北新社

中村:「何度でも」はドラマ「救命病棟24時」の主題歌だったので、よくまったく別の解釈で描いてくださったなあと感心した。ドラマの主題歌の場合、僕らは脚本を読み込んで曲を作るんです。ドラマの趣旨を内包しながらドリカムの曲として成立させるのが仕事だから。

渡邉:私は「空を読む」と「TRUE,BABY TRUE.」を担当しました。特に「TRUE~」は言葉の強さに引っ張ってもらった気がします。

中村:実は僕、この曲が一番好きなんです。この歌以外に吉田の書く歌詩に「○○しなさい」というものはほとんどない。この歌にはあのとき吉田が経験した全てが入っている。当時の吉田の心境を考えると今も胸が詰まります。

■令和の時代のドラマ

中村:今の時代、ドラマ制作には制限が多いでしょう?

濱田:コンプライアンスなどの問題は確かにあります。でもドラマは多くの人に届けることが使命。日本の空気や社会の状況がそうであれば、そのなかで作ることも必要だなと思います。

渡邉:私はあまり窮屈には感じていません。配信など発信手段が多様になって、「視聴率」だけにとらわれる時代から変化して、クリエーターに選択肢が増えていると感じます。視聴者の好みも細分化しているので、作り手として「きっと誰かに刺さってる!」と思えるんです。

中村:逆にいまはストーリーを作って音楽を作って映像編集をしてと、何でもできないといけないから大変ですよね。

――内閣府発表の「男女共同参画白書」(令和4年版)によると、30代男女の4人に1人は結婚の意思がなく、20代の独身男性の4割はデートの経験がないという。いまの時代、恋愛を描く難しさはあるのだろうか?

中村:確かに「じれったい時間」はなくなりましたよね。いまはLINEもあるし、すれ違いのギミックとかが利かなくなってきた。

渡邉:いまはメンタルな障害からしかラブストーリーは生まれない気がします。私自身も人生のなかで恋愛のプライオリティーが高くはなく、結婚にもそんなに興味がない。でも子どものころから、ザ・王道の恋愛ドラマや歌が大好きで、その気持ちは大人になっても変わらない。「恋をしていてもしていなくても、やっぱりラブストーリーは楽しいし、ラブソングは素敵だ!」って思います。だからラブストーリーを作り続けたい。

中村:名言ですね!

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