二つ目は「軽い運動を続けること」。ウォーキングでもいいし、ラジオ体操でもいい。鎌田さんのオススメは、手軽にできる「ランジ」「スクワット」だ。

とくに高齢者は、家にこもったままだと筋力が低下しやすい。ちょっとした空き時間にできる軽い運動を採り入れ、「生活のなかで継続していくことが大切」(同)だという。
三つ目は「季節の変化を前向きに楽しむこと」。気持ちに“余裕”がなくなっているときこそ意識したい。例えば、梅雨時であれば雨の日が多いと嘆くのではなく、植物の緑が美しく見えるとか、雨音を楽しむとか、あえて前向きにとらえてみよう。
簡単なようで難しいのが、四つ目の「笑うこと」。幸せだから笑うのでなく、笑うから幸せになると考える。「できるだけ笑う“努力”をすることが大事」(同)なのだという。
五つ目は「姿勢をよくすること」。気分が鬱々(うつうつ)とすると前かがみになりがちなので、背骨をまっすぐに伸ばして立つようにしよう。
六つ目は今まさに、必要なことかもしれない。「希望を持つこと」だ。あえて目標といいかえて、少しずつそれに向かっていく達成感を味わってみる。
例えば、1日20分でも歩いてみよう、週4日ぐらいくり返してみよう、と小さな目標を立ててみる。それが達成できたら自分をほめてあげる。自分をほめることによって、脳内の神経伝達物質で幸せホルモンとされる「ドーパミン」が出て気分が安らぐ。
そして最後、七つ目は「人の役に立つこと」を心がけてみる。親族や友人に電話して元気を与えたり、身近な人へのちょっとした心遣いなどでいいという。
こうした利他的な活動をこまめにすることが、死亡リスクの低減につながるそうだ。米ハーバード大学の研究者によると、年間100時間(週換算で約2時間)以上のボランティア活動に参加した人は、まったく参加しなかった人に比べ、死亡リスクが44%も低かったという。
鎌田さんは強調する。
「生活習慣病と新型コロナは密接に関係し、つながっています。正しい生活をすることで“巣ごもり”のうつだけでなく、老化も防げます」

(本誌・浅井秀樹)
※週刊朝日 2021年6月25日号

