二つ目は「軽い運動を続けること」。ウォーキングでもいいし、ラジオ体操でもいい。鎌田さんのオススメは、手軽にできる「ランジ」「スクワット」だ。


【ランジ(フロントランジ)】両足を肩幅ぐらいに広げて立つ。上体をまっすぐにして、一方の足を大きく前に踏み出す。踏み出した足の太ももが地面と平行になるまで沈み込む。足をもとに戻し、今度は逆の足を前に踏み出す。20回くり返す。1日1セット。バックランジは、フロントランジの逆。一方の足を後ろに引き、かかとを上げる。引いていない足の太ももが地面と平行になるまで沈み込む。同様にくり返す(写真:提供)
【ランジ(フロントランジ)】両足を肩幅ぐらいに広げて立つ。上体をまっすぐにして、一方の足を大きく前に踏み出す。踏み出した足の太ももが地面と平行になるまで沈み込む。足をもとに戻し、今度は逆の足を前に踏み出す。20回くり返す。1日1セット。バックランジは、フロントランジの逆。一方の足を後ろに引き、かかとを上げる。引いていない足の太ももが地面と平行になるまで沈み込む。同様にくり返す(写真:提供)

 とくに高齢者は、家にこもったままだと筋力が低下しやすい。ちょっとした空き時間にできる軽い運動を採り入れ、「生活のなかで継続していくことが大切」(同)だという。

 三つ目は「季節の変化を前向きに楽しむこと」。気持ちに“余裕”がなくなっているときこそ意識したい。例えば、梅雨時であれば雨の日が多いと嘆くのではなく、植物の緑が美しく見えるとか、雨音を楽しむとか、あえて前向きにとらえてみよう。

 簡単なようで難しいのが、四つ目の「笑うこと」。幸せだから笑うのでなく、笑うから幸せになると考える。「できるだけ笑う“努力”をすることが大事」(同)なのだという。

 五つ目は「姿勢をよくすること」。気分が鬱々(うつうつ)とすると前かがみになりがちなので、背骨をまっすぐに伸ばして立つようにしよう。

 六つ目は今まさに、必要なことかもしれない。「希望を持つこと」だ。あえて目標といいかえて、少しずつそれに向かっていく達成感を味わってみる。

 例えば、1日20分でも歩いてみよう、週4日ぐらいくり返してみよう、と小さな目標を立ててみる。それが達成できたら自分をほめてあげる。自分をほめることによって、脳内の神経伝達物質で幸せホルモンとされる「ドーパミン」が出て気分が安らぐ。

 そして最後、七つ目は「人の役に立つこと」を心がけてみる。親族や友人に電話して元気を与えたり、身近な人へのちょっとした心遣いなどでいいという。

 こうした利他的な活動をこまめにすることが、死亡リスクの低減につながるそうだ。米ハーバード大学の研究者によると、年間100時間(週換算で約2時間)以上のボランティア活動に参加した人は、まったく参加しなかった人に比べ、死亡リスクが44%も低かったという。

 鎌田さんは強調する。

「生活習慣病と新型コロナは密接に関係し、つながっています。正しい生活をすることで“巣ごもり”のうつだけでなく、老化も防げます」

【スクワット(ワイドスクワット)】両足をそれぞれ肩幅よりも10センチぐらい外に「ハ」の字に開く。背中を伸ばしたままゆっくりと腰を落とし、両太ももが地面と平行になるまでしゃがむ。ゆっくりと立ち上がる。10回くり返す。これを1日に3セット。シンプルスクワットは、両足を肩幅ぐらいに開く。椅子の背もたれなどにつかまり、背中を伸ばしたままゆっくりと膝を曲げ、太ももが地面と平行になるまで腰を落とす。ゆっくりと立ち上がる。同様にくり返す(写真:提供)
【スクワット(ワイドスクワット)】両足をそれぞれ肩幅よりも10センチぐらい外に「ハ」の字に開く。背中を伸ばしたままゆっくりと腰を落とし、両太ももが地面と平行になるまでしゃがむ。ゆっくりと立ち上がる。10回くり返す。これを1日に3セット。シンプルスクワットは、両足を肩幅ぐらいに開く。椅子の背もたれなどにつかまり、背中を伸ばしたままゆっくりと膝を曲げ、太ももが地面と平行になるまで腰を落とす。ゆっくりと立ち上がる。同様にくり返す(写真:提供)

(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2021年6月25日号

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