一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会のデータによると、2020年1月~12月のコンビニ業界の年間来店客数(全店ベース)は前年比マイナス10.2%。現在は客足が戻ってきつつあるが、昨年はセブンだけでなく、他のチェーンも「ホットコーヒーは厳しかった」と明かす。

 園田さんが考える、セブンのアイスコーヒーの「優位性」とはこうだ。

 (1)コーヒーをポットなどに作り置きして冷たくするのではなく、一杯ずつ豆を挽いて作っている、(2)不純物を取り除いたクリアな氷のため、淹れたてのコーヒーの香りが際立つ、(3)高級豆のキリマンジャロを51%以上ブレンドして1杯110円という安さ。

 ほかにもキリマンジャロとブレンドしたコロンビア、グアテマラの豆それぞれの特徴を引き出すために焙煎方法を変えていることなど、細部にこだわりがある。だが案外、(2)の「氷の品質」がポイントではないか。

「セブンカフェの氷は、水に空気を送って攪拌しながらゆっくり外側から凍らせる製法を取っています。そうすることで、水中にある余計な成分が中央に集まりますから、最後に取り除いて純度の高い氷だけをカップに詰めているのです」(園田さん)

 家庭の冷凍庫で氷を作る場合はこうはいかない。ちなみにセブンカフェは、マシンでカップにコーヒーを注ぐ時、この氷の溶け具合を計算してホットコーヒーよりも濃い目に抽出、芳醇なコクを出しているという。

〇ファミマは暑い中で「ゴクゴク飲める」味に

 セブンと同様、ドリップ式のコーヒーマシンを使うファミマもアイスコーヒーをリニューアルした。と、アイスコーヒーの話を進める前に、「コンビニコーヒーはどこも同じじゃない」ことを少し説明しよう。

 セブンカフェはブレンドコーヒーとカフェラテで勝負しているのに対し、6種類ほどあるファミマカフェの夏商戦には、「フラッペ」(フローズンドリンク)が参戦することが特徴だ。ローソンについては、のちほどふれる。

果肉も一緒に味わえる「リッチフラッペストロベリー2017」(330円)が再登場(写真=ファミリーマート提供)
果肉も一緒に味わえる「リッチフラッペストロベリー2017」(330円)が再登場(写真=ファミリーマート提供)
次のページ
世界大会優勝のバリスタと共同開発