■8月は非常に危険な環境
昨年、熱中症警戒アラートが試行された際、東京や大阪では8月中旬、連日のようにアラートが発表された。日常生活であってもエアコンを使用しなければ非常に危険な環境である。
スポーツ庁や競技団体は単に熱中症の危険性を訴えるだけでなく、夏の大会の中止も含めて、子どもたちの命にもっと真剣に向き合ってほしいという。
「アメリカでは、高校生の練習日数に制限を設けている州があります。それ以上練習をしたら、試合に出られない。子どもたちの安全と健全な成長を守るために競技団体がペナルティーつきの抑制策を持っている」
内田准教授は、「この手引書が子どもたちが熱中症のリスクを引き受けている現状の歯止めになってほしい」と願う。
「だからこそ、文部科学省はこの内容を厳しく教育委員会に伝えて、現場での実効性を高めてほしい。でないと、部活動は何も変わらずに続いていく。それはこれまでの事例で明らかです」
(文/AERA dot.編集部・米倉昭仁)