「いままで無条件に渡されていたものに『条件』が付くことで、『いりません』と答えやすくなった。そこの場面では、レジ袋の消費が実際に減っていることは確かだと思うんです」
最も大きいのは「意識改革をもたらした」ことだと阿古さんは言う。
「いる/いらないの選択を迫られることで、プラスチックの消費を『抑えないといけないんだな』という意識を持てるようになった人は多いと思います。『減ってないんじゃないの?』とモヤモヤすることも含めて、『世の中にどれだけプラスチック消費が増えていたのか』に気づく人たちが出てきたんです」
一方で、レジ袋をもらい続けている人もいる。東京都に住む58歳の女性は、エコバッグを持ってはいるものの、やはり「ごみ捨てに必須」なレジ袋はもらわざるをえないと言う。
「ときどき100均で買いますし、キムチなどにおうものや重たい冷凍食品を買うときは、スーパーの袋の方が頑丈なのでレジでも買います。ごみ捨て用のレジ袋のストックが手薄になってきたなと思ったら深く考えずにレジで買うし、品物がラップされていない肉屋さんや魚屋さんでもしっかりもらいます」
エコバッグも使っているが、商品で汚れるのが嫌で、店に備え付けのポリ袋をもらう量が明らかに増えたという。
「結局プラスチック消費量は変わってなさそう、という意味においては、エコバッグがエコになっているかは本当に疑問です」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2021年6月14日号より抜粋