ジェーン・スーさんのエッセー『生きるとか死ぬとか父親とか』がドラマ化。作品のテーマである、父親との関係性や家族のありようなどを、主人公・蒲原トキコを演じる吉田羊さんと語ってもらった。AERA 2021年5月24日号に載せきれなかったトークも含め、特別にロングバージョンでお届けする。
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――ジェーン・スーさんが、父親との関係を中心に描いたエッセー『生きるとか死ぬとか父親とか』が原作のドラマで、主演をつとめる吉田羊さん。じつは、二人の父親同士がそっくりだという。
吉田:そうなんですよ。血のつながり、同じDNAを感じました(笑)。
スー:まず顔が似てますね。たぶん、日本人を100に分けても同じ部類に入るなってくらい。
吉田:ほんと、姿形がね。びっくりしちゃった。でも、雰囲気も似ているなと思います。品が良くてスマートで、それでいてユニークで、ユーモアがあって。スーさんのお父さん、一度現場に来てくださったんですよ。
スー:そうそう。そのとき、父が私の顔をじーっと見ながら、「吉田羊さんは、美人だね」って。お前いますぐ表に出ろ! 最小の単語数で、よくそこまで娘を小バカにできるなって感心しました(笑)。しかも後日、村上開新堂のクッキーをあげたいって言い出した。その場にはスタッフもたくさんいたのに、吉田さんだけに渡したい、って。出たよ、必殺、村上開新堂のクッキーが!
吉田:現場でみんなでいただきました(笑)。ちゃんと、スーさんのお父さまからです!って言って。一見さんは買えない開新堂を、さらっと贈ってくださって。そりゃモテるわと思いました。何よりイケメンだし。
スー:女の人に甘えるのがうまいんですよね。困ったなあ。
――そんなスーさん自身も、父親に対して「この男に何かしてあげたい」と思ってしまうのだという。
吉田:娘に男としてそう思わせるって、すごいことですよね。
スー:まあ、そういう男なんですよ。父は人たらしなんですね、究極の。吉田さんのお父さんは? そもそもどんな人なんですか?