
吉田:うちの父はね、基本的に、世のため人のために生きている人。
スー:真逆―! うちの父と。
吉田:ほんと? 家族よりも、困っている人、悲しんでいる人を優先して生きているんです。
スー:なるほど、家族以外にも大切なものがあるっていうところは似てるのか! でもうちの不真面目な父と一緒にするのは気が引ける。
吉田:たしかに私は父の浮気を疑ったことはないけれど、職業柄、相手の心に近いところに立ってしまうから、相手が求めてくることももしかしたらあったのかな?とは思いますよ。
スー:でも、吉田さんはお父さんに裏切られたと感じたことはないってことですよね。片や、私は裏切られたことばかり(笑)。父の私に対する接し方は、親としての責任じゃなくて、動物と同じ、ペット感覚なんですよ。かわいいかわいいって言って、飽きたらぽいって出かけちゃうとかね。だから、私には子どもの頃から父と親子らしい関係がないっていうか。吉田さんは?
吉田:私ね、父親っ子なんですよ、ファザコンで。何かしてあげたいとしか思ったことがない。
スー:わああ、すごーい!
吉田:ちっちゃいときから、母が私に本気で嫉妬するぐらい仲が良くて。 小学生のときね、長期出張から帰ってきた父に、久しぶりに会えて嬉しくてまとわりついてたんです。そうしたら父が着替えに引っ込んだ瞬間に、母が鬼の形相で「あんただけのお父さんじゃないのよ!」って。

スー:ええええ! そんなにお父さんのことが好きな娘さんがいたら家族としては幸せだろうに、お母さんはそれに嫉妬してしまうこともあるんですね。
吉田:父のことが好きすぎて、母とはちょっと険悪になることが多かったなぁ。
スー:なるほど……。
吉田:それは多分、母も自覚してたと思います。死ぬ間際、私は決していいお母さんじゃなかったね、って謝られましたから。スーさんのお母さまは?
スー:母が私に嫉妬? まったくなかった。一度も。
吉田:否定強め!(笑)
スー:母にとって父は年の近い息子みたいな感じで。どっちかっていうと父と私で母の取り合いをしてました。