報告書には、野崎さんの現金の遺産についてこのような記載がある。
<現金については、配偶者側からの申出額が300万8千円であった。(中略)その後、市独自の調査により、配偶者側から513万2千円であると申告されている。(中略)野崎氏の死後における現金化の管理は相続管理人においても現物を確認することができている状態にない。金額が流動的であるため、相続財産として価値は無きものと考えるべき>
つまり、須藤容疑者側の現金管理がずさんで当てにならないと指摘しているのだ。
そして、相続財産管理人が選任された理由を<野崎氏の相続財産が配偶者によって費消されるおそれが高いと考えた>とも記されてあった。
須藤容疑者が遺産を使ってしまう懸念が示されているのだ。
「カレー事件でも林死刑囚は周辺者に保険金をかけていた。林死刑囚が自白しないことを前提で捜査していた。今回も事件から3年と長く捜査している。須藤容疑者が否認したままでも起訴できるだけの捜査は尽くしている」(前出の捜査関係者)
覚せい剤殺人のトリックの全貌は明らかになるのか。
(今西憲之)