中村喜四郎衆院議員(撮影/西岡千史)
中村喜四郎衆院議員(撮影/西岡千史)
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 国政選挙で14勝無敗、うち8回は無所属で出馬して勝利した。かつて自民党に所属し「将来の首相候補」と言われた中村喜四郎衆院議員は今、立憲民主党で「打倒自民党」を目指して活動している。だが、菅義偉政権が相次ぐスキャンダルで防戦一方であるにもかかわらず、野党への支持は広がっていない。「負けない男」の異名を持つ中村氏は今、何を考えているのだろうか。

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──2009年の衆院選で旧民主党が勝利して政権交代を実現しましたが、その後の国政選挙では自民党と公明党が圧勝を続けています。今の野党議員に足りないものは何でしょうか。

 政治に対する泥臭さ、そして選挙への執念です。今の選挙制度は、小選挙区で負けても党が強ければ比例で復活できる。だから、野党の議員は死に物狂いで選挙を闘う気持ちが弱い。今、政治に無関心な人、あきれた人が増えている。そんな人たち一人ひとりに声をかけて耳を傾け、まずは投票に行ってもらわないといけない。そこで私は、投票率を10%上げる運動をして、全国で署名を集めています。

「そんなことをやっても意味がない」という人もいます。それでもやるんです。政治家が私心を捨てて徹底的にやることで、はじめて有権者が関心を持ってくれる。自民党なんて、たいしたことないんです。誰かが夢中になって立ち向かっていけば、次の総選挙で勝てる可能性は間違いなくあります。

──今年10月で衆院議員が任期満了となります。総選挙までに何が起きると考えますか。

 4月には衆参両院で3つの補欠・再選挙があります。これで野党が勝利すればどうなるか。千葉県知事選挙でも分裂して負けた自民党と公明党は、これまでのような選挙協力が機能するかわからなくなってきます。

 千葉県知事選では、私は谷俊人さんの選挙を勝手に応援していました。前回の衆院選で、千葉県内の13の小選挙区で野党系で勝利したのは野田佳彦元首相だけ。千葉県で野党の勢いをつける必要がありました。

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立憲民主党の支持率が上がらない理由