年の瀬まで新型コロナの影響が続くと考えていた人は少ないかもしれない。その影はじわりじわりと忍び寄る(撮影/写真部・張溢文)
年の瀬まで新型コロナの影響が続くと考えていた人は少ないかもしれない。その影はじわりじわりと忍び寄る(撮影/写真部・張溢文)

東大・京大が狙う業界

 これから社会に羽ばたく学生たちはどうか。

 近年、学生たちが入社前からスキルや技術を持っているかどうかを重視する「ジョブ型雇用」を取り入れる会社が増加。組織の未来を担う新人たちも、企業に依存せず、自らのスキルを高められる道を選ぶケースが増えている。

 新卒採用サービスを手がけるワンキャリア経営企画室の寺口浩大さん(32)は指摘する。

「かつて学生たちは企業に安心感を求めていました。先行きが見えない今は、安心を得るためにスキルが身につく『食いはぐれない企業』を選ぶ傾向にあります」

 つまり、新卒給与や企業の安定性が第一選択ではなく、自身の向上につながる企業を選択する。その傾向が強いのは東京大や京都大といったトップ層の学生たちだ。同社が22年卒の東大生、京大生を対象に実施したアンケートでは、人気企業上位10社のうち7社がコンサルやシンクタンクで占められた。

「学生のキャリア観の変化は今後も続くため、採用のやり方を時代に合わせて変えていく必要があります」(寺口さん)

 新型コロナは、これまでの「稼ぐ」という考え方の転換期に導いたといえる。

(編集部・福井しほ)

※AERA 2020年12月21日号より抜粋

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