京都大学の時計台
京都大学の時計台

 入試制度の変化やコロナ禍による経済状況の悪化を背景に、浪人生が急激に減っている。2023年に行われる大学入学共通テストの志願者51万2581人のうち、浪人生は7万1642人。前年度から5143人減り、過去最少だった。

 その影響は東大・京大入試にも表れている。東大の入学者のうち、浪人生が占める割合は24・2%。6年前より7ポイント以上減った。京大も浪人生の合格割合は32・8%と約8ポイント減った。とはいえ、ほかの大学と比べて浪人生の割合はまだ高いといえる。なかには、現役で合格した大学に入ったものの、納得できずに”仮面浪人”となって受験を続ける人もいる。

平野秀大さん(東大農学部3年、2浪) 「小さい頃から勉強は得意で、家族からも東大受験を勧められていました。現役の時は門前払いをくらい、最低2浪は必要だと思っていました。1浪目は早稲田大学と北海道大学に受かったんですが、東京にいると東大に行きたくなりそうだったので、北大に進学しました。学祭の準備をしたり、サークルで温泉旅行に行ったりと普通の大学生活を過ごしていましたが、夏休みに入ると周囲が帰省し、やることがなくなった。駿台模試を申し込んでいたことを思い出し、受けてみたら意外と点が良く、リベンジを決めました」

酒井勇輔さん(京大理学部卒、2浪 現東大大学院理学系研究科修士課程2年) 「京大多浪交流会を立ち上げた本人です。今は東大大学院で天文学を専攻しています。中学のときはすごく成績が良くて、高校受験で男子御三家の一つ、開成に合格しました。結果的に開成は蹴って慶応義塾高校から慶応大学に進んだのですが、あのときの合格経験が忘れられなくて、仮面浪人して京大を目指しました」

三浦優輝さん(京大総合人間学部1回生、2浪) 「酒井くんが蹴った開成高校の出身です。現役で東京理科大に進学しましたが、杉山くん同様、コロナ禍で授業がなくなったことで再受験を考え始めました。京大を目指したのは、東大は同級生がみんな行っていて避けたかったから。塾に行くお金はなかったので、塾講師のアルバイトをして受験料を稼ぎました」

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慶応大に通いながら2浪 つらかったことは?