■世界の果てで、日本のお金と出会うロマン
お年玉とは直接関係ないのだが、せっかくなのでお金にまつわるエピソードをもうひとつ。
私は旅先で市場や露天商をひやかして歩くのが趣味だ。南アフリカのケープタウンの街なかを散歩しているとき、いつものくせでなんとなく店を覗くと、そこには大量に積まれたコインの山があった。どれも1900年代後半のものばかりだが、なかには現行の通貨も含まれているようだ。そのなかに見覚えのあるコインがあった。五円玉だ。
日本人旅行者の落とし物かもしれないし、もっと数奇な運命を経ているのかもしれない。これがどういう経路をたどってきたのか、どのような旅をしてきたのか。それを考えるだけでもロマンがあるのだ。私も今年はどんな旅をしようか。このコラムを書きながら、そんなことを思うのである。(文/丸山ゴンザレス)