――現役時代とはフィギュアスケートも大きく変わっていると思います。どんなところに注目してほしいですか。
そうですね。当時は私もトリプルアクセルが得意でしたが、いまは女子選手でも4回転を飛ぶ時代ですからね。ジャンプだけではなく、凝ったスピンやエネルギーを使うステップをしないと点数や順位が上がらなくなっているので、今の選手たちは大変だと思います。

最近のテレビ中継では、ジャンプやステップ、スピンのレベルが瞬時に表示され、点数がわかるようになっているので、「どうしてこれがレベル3だったのか」「レベル4だったのか」と考えながら見てもらうと、より面白いのではないかと思います。
審判員には基本的に2つの役割があります。一つはジャンプの種類や回転数、スピンの種類やレベル、ステップの種類やレベルを認定していく技術役員。そして、技の出来栄えにプラス・マイナスを付け、芸術的な要素も評価するジャッジですね。私はいま、国際大会で技術役員ができる資格を持っていますが、ゆくゆくはオリンピックで審判員をすることが今の目標ですね。難しいかもしれませんが、実績を積めば、できるかもしれないなと思っています。
(AERA dot.編集部・金城珠代)