リーマンショックやトランプ大統領の誕生など、数々の予言を的中させ、「世界3大投資家」と称される著者が、日本と東アジア経済の未来を分析した。

 世界の主な国の対外純資産や対GDP比債務残高、人口構成などのデータを基に、日本や韓国、北朝鮮、中国の未来を探り、米露やインドの動向を予測する。日本については「50年後か100年後には消えてしまうだろう」と述べ、人口が減少しても移民を受け入れず、社会保障費の増加などで債務が大きくなった国はひどい姿になって終焉すると指摘。今後は日本の強みを生かすべきだと説く。

 AIの進化やブロックチェーン技術の台頭で経済の大変化を迎えるなか、著者は「人と同じ思考をするな、変化に対応せよ」と呼びかける。本書は来たるべき時代の道標となるはずだ。(今村貴史)

週刊朝日  2019年5月31日号