高校、大学の入試もひとわたり終わり、「卒業」シーズンですが……。
難関で有名な「宝塚音楽学校」の入試は今日から始まり、発表は28日。「東の東大、西の宝塚」ともいわれる狭き門、宝塚音楽学校。合格発表の映像はテレビでも報道されますね。
知ってるようで知らない宝塚音楽学校とは……? 今日は、その入学試験のシステムから、タカラジェンヌを夢見る少女たちの足跡を追ってみましょう。

宝塚大劇場
宝塚大劇場
この記事の写真をすべて見る

応募資格は14歳から18歳、受験のチャンスは4回

「宝塚音楽学校 募集要項」を開くと……
宝塚歌劇団への入団は、本校卒業生に限られます。
宝塚ファンには無論、宝塚音楽学校を志望する子女、およびその保護者には当然のことなのですが、
「宝塚音楽学校に入学し卒業しなければ、宝塚の舞台には立てない」ということです。
舞台人を目指す場合、ミュージカルを学ぶような音楽系の短大、大学に学ぶという選択肢もありますがその場合、卒業後も自分でオーディションで合格を勝ち取らなければ舞台に立つことができません。
また、どのような才能、実力があっても、宝塚音楽学校を卒業しなければ、宝塚の舞台には立てません。
一方、宝塚音楽学校の場合、卒業と同時に宝塚歌劇団へ入団。初舞台への稽古に入ります。入団後も周りと切磋琢磨して芸を極めるという環境は変わりませんが、確実に舞台人としての活躍の場が与えられます。
宝塚音楽学校、受験の年齢制限は14歳から18歳。受験時に中学卒業あるいは高等学校卒業又は高等学校在学中の方という指定があり、基本的にはその年齢制限は中卒時から高卒時までとなっているので、実質4回受験するチャンスがあります。

面接重視、3次試験まで

では、簡単に試験の流れを追っていきましょう。試験は3次試験まであります。
第1次試験   面接(東京会場、または宝塚会場(宝塚音楽学校)にて実施)
東京会場 2019年3月20日(水)9:00~/12:00~
宝塚会場 2019年3月22日(金)9:00~/12:00~
第1次試験合格者発表:東京3月21日(木)/宝塚3月23日(土)
第2次試験   面接、歌唱、舞踊
宝塚会場の第1次試験合格者全員が対象
2019年3月24日(日)9:00~(集合時間 8:00)
東京会場の第1次試験合格者全員が対象
2019年3月25日(月)9:00~(集合時間 8:00)
第2次試験合格者発表:3月26日(火)
第3次試験   面接、健康診断(宝塚会場)
2019年3月27日(水)9:00~(集合時間 8:30)
第3次試験合格者発表:3月28日(木)10:00~
(宝塚会場にて合格者(受付番号)を掲示)
筆記試験はないものの、3次試験まであるとは大変ですね。約40名の募集に、およそ1000人が応募するらしく、競争率は25倍前後のようです。
1000人→(第1次試験)→ 400人 → (第2次試験)→ 120人 →(第3次試験)→40人
というのが、大まかな流れのようです。

応募資格に「容姿端麗」

「容姿端麗で、卒業後宝塚歌劇団生徒として舞台人に適する方」とあります。
この場合の容姿とは、顔かたちだけではなくスタイルや姿勢、立ち居振る舞い……なども含まれるようです。一朝一夕にこの容姿を整えることは難しいですね。
また、14歳から18歳、中高生といえば育ち盛りで、食べたい盛り。まして、受験のストレスでスタイルを気にする余裕などないのではないでしょうか? それでも酷なことに、試験当日の服装は黒のレオタード。余分な肉の隠しようがありません。
そのうえ、「面接」に化粧は不可。つまり、3度もある面接は素顔ということに。
思春期ですからニキビ・吹き出物など、また体調やコンディションで顔色も変わりますね。気分的にも、化粧で顔色くらいはよくしたいのではないでしょうか?……とことん厳しいですね。
また、合格発表などでよく見かける特徴的な髪型ですが、男役であればショートカットにしてリーゼントのような顔に前髪がかからない髪型、娘役であれば基本的にはバレエのレッスンの際にするようなお団子と呼ばれている髪型が多いですね。
気をつけることは、自分の顔が綺麗に見える髪型を研究することだそうです。
宝塚音楽学校に入学するためには、面接、バレエ、声楽など厳しい審査基準があります。そのため、元タカラジェンヌが講師を務める受験対策のための教室もあるようです。

合格してからは、もっと厳しい……?

本人のストレスもさることながら、周りの期待やプレッシャーもただ事ではなさそうですね。倍率はもとより、受験するだけで大仕事……! 容姿や才能以上に並外れた精神力が要求されそうです。
チャンスは4回ですから、複数回の受験者も多いはず。4度目で合格し、宝塚のトップを射止めた例もあるそうです。
入学してからの修学年限は、予科1年・本科1年(通算2年)。超難関をクリアして入学できたわけですが……。校則の厳しさは有名ですね。例えば、
朝9時から授業が始まりますが、その前に校舎の隅々を掃除することから朝はスタート!
それも、
どこでもいつでも寝転べるくらいにキレイ! と表現されるほどピカピカな床や机!
こんな学校生活を送るためには、競争率25倍の試練を乗り越える根性が必要なのかもしれません。
宝塚音楽学校受験に青春をかけた受験生も多いことでしょう。
でも例え、合格できなかったとしても、若い頃、目標に向かって必死に頑張った経験は宝ではないでしょうか? 人として大きく成長できたのではないでしょうか……?

すみれの花~咲く~ころ……♪
すみれの花~咲く~ころ……♪