文部科学省は毎年「体罰の実態把握について」で、国公私立の幼・小・中・高校など、全国の学校内で起きた教員による有形暴力の件数や被害人数等の実態を発表している。被害を受けた児童生徒は、大阪の自死事件が起きた2012年度は1万4208人。13年にスポーツ、教育界で暴力行為根絶宣言がなされると14年度には1990人と急降下。20年度は871人まで減少した。「体罰時の状況(場面)」で多い順で見ると、12年度は授業中が31.8%、部活動が30.5%とほぼ同数であったのに対し、20年度は授業中が44.7%で最も多く、部活動は19.2%と割合が下がっている。このことからも、中高の部活暴力は減少していると言えるが、暴言も含めた全国規模の調査が必要だろう。しかも、学校以外の少年団や民間クラブなど子どものスポーツ環境の実態も拾えていない。(スポーツライター・島沢優子)
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※AERA 2022年12月26日号より抜粋