●本当に「リアリティ」のある転職本を届けたい

 はじめまして。北野唯我と申します。

 今回、初の著書『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』 を出版しました。おかげさまですでにお読み頂いた方から、多くの感想を頂いています。

「もしも約1年前にこの本に出会っていたら、私はいま、どんな会社にいたのだろう。ページをめくるたびにこれまで考えもしなかった声が私の中に出てきた」(20代、女性、メーカー)

「物語形式だったので、主人公に共感できる描写が多く、“情報を見極める思考の軸”の大切さを、よりリアルに感じ取れた」(30代、男性、マスコミ)

 転職を考えている人は必ず読むべき本だと言える。一方で、すでに転職をした人が読むと、後悔するかもしれない。自分の転職が正しかったのか、答え合わせができてしまうからだ。(30代、男性、弁護士)

 本当にありがとうございます。

 私は普段、ハイクラス向けの就職ポータルサイトを運営する会社で役員をしています。そこで、サイトの編集長としてコラム執筆や対談、企業現場の取材を行っています。また、自分自身が20代で二回、大企業からの転職を経験しています。これらの経験から、テレビに加え、日本経済新聞・プレジデントなどで「職業人生の設計」の専門家として多くのコメントを寄せてきました。

 その際に、私が一番大切にしていることは
「リアリティがあること」です。

 多くの転職に関する本は、一部の「圧倒的な成功者」や「極論」で埋め尽くされています。たとえば、「好きなことだけやれ」とか「とりあえず、独立してみろ」などです。

 でも、本当にそうなのでしょうか? これは、本当にリアリティがあるのでしょうか? 私はそう思いません。というのも、自分自身が初めて転職したとき、もっと現実的なアドバイスが欲しかったからです。

 私が初めて会社を辞めると決めたとき、正直、めちゃくちゃ迷いました。頭ではこうすべき! と思っていても、なかなか勇気が出ずに、寝れない日々が続きました。当時付き合っていた彼女にも弱音を吐いて、叱責されたりもしました。ダサいですよね。

 でも、それが「仕事選びのリアリティ」ではないでしょうか?

 仕事選びって本当は、キラキラしたカッコイイ部分だけではないはずです。

「転職して給与が下がったらどうしよう」

「恋人やパートナーは反対するだろうか」

「お世話になった上司にどう言うべきか」

 そんなウジウジした気持ちを、まるっと含んだものだと思うのです。だったらその部分まで含んだ「アドバイス」が必要なはずです。

『転職の思考法』は物語形式で進みます。主人公である青野は、「勝負の分かれ目」ともいえる年齢を迎え、どうキャリアを形成していくべきかを真剣に悩んでいます。そんなある日、彼はふと立ち寄った本屋で雑誌を手に取りました。そこには「昇進ポテンシャルのなくなった、大企業のサラリーマンの悲惨な末路」が描かれていました。大企業でなんとなく20年生きてきた先輩たちが、自分の人生を挽回するためにもがき、消えていく姿です。青野は10年前なら「笑って読み飛ばしていた」でしょう。でも、今は違います。

「自分はどうだろうか? 果たして、今の会社にいても大丈夫なのか?」

 そう思ってしまったのです。だって、自分には、特別な専門性もない。大きな組織を率いた経験もない。他者を圧倒するような才能もない、そう感じていたからです。つまり、この本は、どこかのスーパースターではなく、私たちのための本だと思うのです。私が転職をしようとしていたとき、「もっと早く教えてほしかった」「こんな本があればいいのに」というすべての知識を詰め込みました。まさに「あのとき、本当に読みたかった」リアリティのある本です。

 今は、二人に一人が「人生で一度は転職する時代」と言われます。ずっと先回しにしてきた「あなたの職業人生の設計」について、これを機会に、しっかり、見つめる機会を持ちませんか?

 この本を通じて、少しでもモヤモヤが吹っきれたとしたら、これ以上に幸せなことはありません。

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