「家にいる時間」をどう充実させるかが、実は定年後の大きな課題(※写真はイメージ)
「家にいる時間」をどう充実させるかが、実は定年後の大きな課題(※写真はイメージ)
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●「濡れ落ち葉」って呼称、知っていますか?

 The 3rd Place(サードプレイス)。スターバックス・コーヒーが自分たちのことを称してこう言います。第三の場所です。ちなみに第二の場所は職場。そして第一の場所は家庭だそうです。

 定年ということは、何もしなければ第二の場所を失うということです。残るのは第一の場所と第三の場所。まさか日がな一日スタバに入り浸ることもできないでしょうから、それまでに比べて家にいる時間が格段と長くなるはずです。

 定年後再雇用されたり、第二の職場を見つけたりすれば、それなりに出勤する場所は確保できますが、それでも多くの場合、それまでに比べれば就業時間は短くなるでしょう。家にいる時間はどうしても長くなるわけです。

 この「家にいる時間」をどう充実させるかが、実は定年後の一大課題なのです。

 以前に、70歳過ぎの人たちの生活時間をヒアリング調査したことがあります。正直、愕然としました。どのようなパターンかと言うと、まず寝る時間が早い。21時~22時には寝てしまいます。なぜなら、やることがないからです。

 ところが平均睡眠時間が意外と短い。5時間ほどです。22時に寝ても、夜中の3時には起きてしまう計算です。さすがに、ここで起きてしまっても家族が困ります。だからそのまま寝床の中にいる。

 やることがないので、NHKラジオ第一の「ラジオ深夜便」をイヤホンで聴く。これが終わるのが朝5時なので、そこでやおら起き出すのです。

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奥さんに断って必要な教えを請い、やれるところから手伝う