3月に入り、そろそろ梅の便りが聞かれる季節になりました。この冬、大雪に見舞われた地方でもそろそろ雪解けが始まり、積もった雪がだんだん小さくなる頃です。雪が降ると除雪に労力が必要ですが、その雪が解けたら解けたで、さらに時間と労力が費やされます。
今年の低温と大雪で、北国の道路はまだまだカチカチに凍りついたままです。また、屋根の雪は硬くて分厚い氷となり、庇から雪庇が大きくはみ出しています。これから春に向かう雪解けの季節。雪の後始末がスムーズに進むコツは、解けた雪が流れる水路を確保することです。

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道路のジャブジャブは排水溝を開けて流すのがコツ!! ツルハシで氷を割ろう

春先になると積もった雪が一気に解け出し、毎年のように道路がジャブジャブになります。歩行者は防水シューズを履き、足元に気をつけて歩きます。また、車が泥を跳ね上げて走るので、道路脇の雪山が茶色く汚れ、一年で最も町が汚らしくなる季節の始まりです。
北海道などの北国は気温が低いので、道路に積もった雪がカチカチの氷と化してしまいます。また、道路脇には除雪された雪がうず高く積もっています。カチカチの氷と高い雪山。これらによって排水溝がふさがれているので、解けた雪が流れる場を失い、道路がジャブジャブの湖となってしまうのです。
雪解けが始まったら、まずは排水溝を探し出し、解けた雪が流れゆく水路を確保するのが先決です。そこで活躍するのがツルハシです。雪が積もらない地方の方にとっては、なぜ自宅にツルハシが?、と思われるかもしれませんが、北海道では氷割りのためだけにツルハシを持っている家も多く、毎年春先になると、道のあちこちで、カツンカツンと氷を割る音が聞こえてきます。
ツルハシで排水溝を開けたら、次は轍にたまった水を流します。轍にツルハシで切れ目を入れて水路を作ると、轍から泥水がどんどん流れ出て、さらにジャブジャブが解消されます。このように、各家庭が力を合わせて道路のジャブジャブを解消するのが「北国の春」です。

ジャブジャブの水を流すためにツルハシで排水溝を開ける
ジャブジャブの水を流すためにツルハシで排水溝を開ける

屋根に凍りついていた雪が一気に落ちてくる!! 落雪に要注意

気温が低い北海道では、日陰側の屋根の雪は冬の間落ちることなく凍りつき、固くて重い氷と化してしまいます。最近は四角い無落雪の屋根が増えてきましたが、まだまだトタン屋根の家も少なくありません。雪解けの頃になると、凍りついた雪と屋根の接地面がゆるんできて、それが一気に落ちてきます。
屋根の雪と氷はかなり重いので、それが頭の上に落ちてきたら大変です。この季節は泥はねで足元を気にしつつも、屋根からの落雪で上の方も気にして歩かなければなりません。
また、屋根の雪と氷が一般道に落ちてきたら、それを道路の端に除けなければならないのですが、これが重いのなんの…。大きな氷の塊は手で持たないと持ち上がりません。
このように、春先の屋根からの落雪は、屋根の下を歩く人にとっても、家の持ち主にとっても気をつけなければなりません。

雪解けの季節は上も見て歩かなければ。
雪解けの季節は上も見て歩かなければ。

雪が重くなる早春は除雪も一苦労。腰を入れてザクザクとかきとる

厳寒期の雪は水分が少なくサラサラと軽いので、そこそこの雪の量だと雪かきもそれほど重労働ではありません。ところが、気温が高くなってくると雪の水分量が増し、少しの雪でもズシリと重くなります。そんな時は、金属製のスコップが活躍します。春先のザクザクした雪はプラスチック製のスコップでは太刀打ちできませんが、金属製だと、ちょっとした氷でもガツガツ割ることもできるし、みぞれまじりのグチャグチャの雪もガーッとかきとることができます。
ただ、重い雪は腰を痛めがちです。春先の雪かきは特に足腰に注意をして取り掛かりましょう。
いつもなら3月になると、そろそろ雪解けの季節だなあ…と思うものですが、今年の冬は低温と大雪に見舞われ、北海道では春の兆しがほとんど見られません。大きな通りはかろうじて除雪されていますが、道路脇の雪はまだまだうず高く積もり、一歩路地に入ると道路はツルツルのアイスバーンのままです。とはいえ、春は必ず訪れます。これから始まる雪解けに備え、少し気温が高くなった時は、とりあえず排水溝を開けて準備をしておきたいものです。

春先の重たい雪をかくときは、グッと腰を入れて。
春先の重たい雪をかくときは、グッと腰を入れて。
屋根の雪下ろし、気をつけて。
屋根の雪下ろし、気をつけて。