中野京子『怖い絵』が出版されたのは2007年。名画の読み解き方を物語的・社会的な背景まで含めて解説したこの本は大ヒット。その後、4冊のシリーズに成長し、もっか展覧会も開催中だ。
『怖い絵のひみつ。』はその展覧会(「怖い絵」展)に合わせて出版されたガイドブック。出品された主要な14作品を解説する。
解説を読むだけでも、もう怖いですからね。たとえばドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」(1833年)。白いドレスを着て目隠しをされた女性が描かれている。16歳の元女王が処刑される直前の姿だという。
〈右側には(略)タイツを穿いた死刑執行人が、切れ味の悪そうな大きな斧を携えて、ジェーンの準備が整うのを待ち、左側では2人の侍女が(略)茫然と座りこんでいます〉。お、斧で首を切る!?