「人に迷惑をかけない教育」が子どもの自信を奪う
このように子どもの自信を奪ってしまっているのが、「人に迷惑をかけない子育て」や「過干渉」だと私は考えています。
たとえばデパートなどで、「さわっちゃダメ!」「そっち行っちゃダメ!」と子どもの後を追いかけている母親がいます。子どもからすれば、デパートには見たこともない魅力的なモノが溢れています。そんなモノを見ればさわってみたくなるのが人の常です。
でも母親は「お店に迷惑をかけないように」「周囲のじゃまにならないように」と子どもの行動を監視します。さわっちゃダメ、そっちはダメ、あっちもダメ、走っちゃダメ、と「ダメ出し」をされ続ければ、自己肯定感は育っていきません。
また、「早くしなさい!」「グズグズしないで!」「ちゃんとしなさい!」と、子どもを必要以上にせきたてる行為や、親が何でも決めて、子どもに与えてしまうことで、子どもの自主性を奪います。
子どもの自尊感情を育てるには、良い面も悪い面も含めて、あるがままの子どもを受け入れなければいけないのです。
親が焦ると、子どもに自信は身につきません。反対に、親が寛大な態度でいると、子どもは気楽になり、それまでできなかったことがウソのようにうまくできるようになります。
(この原稿は書籍『世界標準の子育て』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)