イギリスの教育専門誌『タイムズ・ハイアー・エデュケーション』が発表する「THE世界大学ランキング」の2016年~2017年版において、アメリカのハーバード大学をはじめ、世界のトップエリート大学をおさえ、イギリスのオックスフォード大学が堂々のトップワンに輝きました。日本の東京大学(39位)や京都大学(91位)ははるか後方にランキングされています。
オックスフォード大学は12世紀に基礎が築かれた英語圏最古の大学で、30以上のカレッジで構成されています。教授や学生など2万人以上が在籍し、同じイギリスにあるケンブリッジ大学とともに、伝統、研究、教育、校風、すべてにおいて創造性豊かな最高レベルの学問の殿堂です。全世界から超一流の教授陣と学生が集まり、切磋琢磨しながら日々夢に向かって勉学に励んでいます。
オックスフォード大学は政治・経済・学問など様々な分野で世界的に有名な卒業生を数多く輩出しています。イギリスではマーガレット・サッチャーやトニー・ブレアなど歴代何人もの首相がこの大学で学びました。「経済学の父」と称されるアダム・スミス、『不思議の国のアリス』のルイス・キャロルなどの歴史の教科書に登場する人々、ミャンマーの民主化に人生を捧げたアウン・サン・スーチーなど50名以上のノーベル賞受賞者の他、オリンピックメダリストも数多く学んだ、まさに文武両道の名門です。
オックスフォード大学の教育のエッセンスを端的に表現するならば、「自由な個性」の育成と開花です。「自由な個性」とは、型にはまった考え方や常識を突き破り、自由な発想と探求心をもって新しい視点を切り開いていこうとする、しなやかな「性質」と強い「精神」といえると思います。学生一人ひとりの潜在能力を最大限引き出し、あらゆる分野でイノベーション(革新)を起こす原動力はここにあるでしょう。
本書では、オックスフォード大学が大切にしている「自由な個性」を構成する5つのエッセンス――「問題発見力」(社会に隠された問題を発見し解決する力)、「コミュニケーション力」(対話を通じて誰とでも意思疎通をはかる力)、「リーダーシップ」(他者の先頭に立ってリードする力)、「創造性」(イノベーションを生み出す力)、「寛容性」(愛とやさしさで人々を受け入れる力)を解説しています。