小林朱理(こばやしあかり)/ 北海道小樽潮陵高校卒。ブラジルで働いていた日本人の両親のもと、同国で生まれ育ち、その後1年半ほど、モザンビークで過ごした。16歳で日本に帰国。好きなヒンディー語は、ビッリー(猫)、グラビー(ピンク)とナマステ(挨拶の言葉)。[写真=木村哲夫 ヘアメイク=KEN、Lia(ともにJOUER) スタイリング=村上ゆい(JOUER)]
小林朱理(こばやしあかり)/ 北海道小樽潮陵高校卒。ブラジルで働いていた日本人の両親のもと、同国で生まれ育ち、その後1年半ほど、モザンビークで過ごした。16歳で日本に帰国。好きなヒンディー語は、ビッリー(猫)、グラビー(ピンク)とナマステ(挨拶の言葉)。[写真=木村哲夫 ヘアメイク=KEN、Lia(ともにJOUER) スタイリング=村上ゆい(JOUER)]

 現役学生から公募したモデルが、受験時のエピソードや勉強法、キャンパスライフを明かす特別企画。今週は、東京外国語大学言語文化学部2年生・小林朱理さん(北海道小樽潮陵高校卒)が、帰国子女としての悩みと前向きな勉強法について語ってくれた。

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「私、上智大の帰国生枠の入試を受ける資格があったんですよね。それなのに全然調べていなくて、知らなかったんですよ。ダメですよね、受験は情報戦なのに」

 情報収集を怠ったことを、まるで笑い話のように語る。5教科をしっかり学び一般入試で国立大に合格した背景には、相当な苦労があったはずだろうが。

 小林さんは、ブラジルで働いていた日本人の両親のもとに生まれた。短期間日本に滞在したことはあるが、ブラジルで10年近く、その後はモザンビークで1年半ほど暮らした。南アフリカにある世界最大級のサファリパークを家族4人で車で走っていたところ、象4頭に囲まれ、あわや車ごと断崖絶壁から落とされそうな危機に陥るなど、さまざまな体験をし、のびのびと育った。

 帰国したのは、高校1年の夏。

「日本ではテストは先生がちゃんと見張りますし、時間も秒単位で計りますよね。海外ではそんなことは全然なく先生は寝ていましたので、わからない問題は周りの人に聞いたりして解いたのに」

 といった感じで、カルチャーショックの連続。

「慣れるのが大変でしたが、逆にそういう日本らしいカチッとした学校生活を送ってみたいという気持ちもあったので、楽しく受け止めました」

 当然のことだが、得意科目は英語。とはいえ最初の頃は苦労した。

「日本語がよくわからないから、英文和訳が大変でした。50字以内で書けという問題で、私は漢字が書けないから平仮名だけ。すぐ50字になってしまいました(笑)」

 なんでもポジティブにとらえる小林さんは、苦手な古文と日本史の勉強も楽しかったという。

「海外チックな視点なんですけど、古文はお侍さんが話していそうな言葉だなあと。古文と日本史は『オー、ジャパン!』みたいな気持ちで勉強すると楽しかったです。それに、自分が歴史の登場人物になったかのような感覚になってみると、頭に入っていきました」

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