塾には通わなかった。というのも、人の目のあるところで勉強するのが好きではなかったから。
参考書も用いず、教科書を全部暗記する意気込みで徹底的に読み込んだ。教科書はさまざまな色の蛍光ペンでラインを引き、授業で先生が話したこと、模試に出てきて大事だと感じたことを書き込んでいくなど、かなりカスタマイズされたものだ。
「自分に合う勉強法を見つけ出し、徹底することが大事だと思います」
大学入学後は、大好きなフラメンコを踊ったりして、日本人学生はもちろん海外からの留学生らと楽しく交流をしている。受験時代と比べれば当然楽しいはずだが、小林さんは受験生としての生活も面白かったと語る。
「高校3年生は、絶対に人生で一番勉強する時期。受験生だからこそ送れる青春というのがあります。模試の結果が悪くて落ち込むのも、この時期だけ。青春の醍醐味だととらえて、楽しんでいました」
このポジティブさが、彼女を合格に導いた。(取材・文/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2023年5月5-12日合併号