「ごく一部の人だろう」と思わないでほしい。京都府立大の秦正樹准教授が「ある種の病原体や病気の感染拡大は、ある組織による慎重かつ秘匿された活動の成果である」という設問を用意して調べたところ、「そう思う」が5.4%、「ややそう思う」が22.9%に上った。Qアノンのゆりかごが、日本発の匿名掲示板文化だったことからもわかるように、日本には陰謀論が育つ土壌がある。
無視も論破も、陰謀論者を増長させてしまうだけだ。とはいえ、私たちにできることは限られている。その一つは、彼らが再び一線を越えないか、できるだけ多くの人たちが、注意深く見守ることだ。陰謀論をまったく信じていなくても、信じる人たちがいる限り、影響を受けるのは、私たちみんなの社会なのだから。(朝日新聞記者・藤原学思)
>>【前編の記事】ワクチン接種妨害を正当化する陰謀論の恐ろしさ 「神真都Q会」の正体を探る
※AERA 2023年1月16日号より抜粋