EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM
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EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM

APS-CサイズEOSにもLED付きマクロレンズ

 レンズ先端にLEDライトを内蔵したマクロレンズ。EOS-M用の28ミリF3.5の人気により、第2弾は一眼レフEOS(APS-C機)用で焦点距離35ミリが発売される。

 LEDライトの光量はそれほど大きくなく、室内でのマクロ撮影以外ではあまり実用性を感じないし、実はカメラの内蔵ストロボも思いのほか光が回り込む。とはいえ、無駄というわけではなく、飲食店で「食べる前に撮る」場合など無遠慮なストロボの使用を避けたいシーンでは便利そうだ。

 標準域のマクロレンズには、一般撮影が主で接写も無難にこなすタイプもあるが、このレンズは、マクロ領域が本職で一般撮影も無難にこなせる本格マクロタイプだ。60センチより近接の撮影では、ピントのシャープな部分からボケへのつながりが自然で、上品な雰囲気がうまく補正されている。3メートルほどまでの中間距離の描写も独特の潤いがあり面白い。

レンズ先端にLEDライトを内蔵したマクロレンズ。
レンズ先端にLEDライトを内蔵したマクロレンズ。
切り株の洞から芽吹くモミジを、絞り開放で撮影。詳細に見ると後ボケは二線ボケの傾向だが、軟らかさがあり雑な感じにならない。マクロ域から中近距離までの描写が、よい意味で無機的にならないのが魅力だ●EOS 9000D・AE(絞りf2.8・100分の1秒・-2補正)・ISO100・WB:昼光・JPEG
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切り株の洞から芽吹くモミジを、絞り開放で撮影。詳細に見ると後ボケは二線ボケの傾向だが、軟らかさがあり雑な感じにならない。マクロ域から中近距離までの描写が、よい意味で無機的にならないのが魅力だ●EOS 9000D・AE(絞りf2.8・100分の1秒・-2補正)・ISO100・WB:昼光・JPEG

デザイン
LEDライト部を覆う機能も兼ねたレンズフードも、鏡胴の長さに対してデザイン的に一体感を感じる。まとまりは悪くない。フードなしだと、分解途中のような姿で落ち着かない

使用感・操作感
フォーカスリングが滑らかに動くうえに、その操作とフォーカス調整の連動感もよい。MFでの撮影が楽しくなる使用感は、マクロレンズとして高評価だ

描写性
絞り開放から画面の隅々まで安定した解像度だが、少し絞るとコントラストの向上で心持ちスッキリ感が向上。絞りf16までは、目立って描写の劣化や雰囲気の変化はないので、安心して絞れる

◆まつうらやすし

●焦点距離・F値:35ミリ・F2.8●レンズ構成:6群10枚●画角:42.35°●最短撮影距離:0.13メートル●最大撮影倍率:1倍●フィルター径:φ49ミリ●大きさ・重さ:φ69.2×55.8ミリ・190グラム●価格:税別5万5000円(5万60円)●URL:http://canon.jp/