月並みだけど、わが家のアイドル、時に同志、そして大事な家族のポコタロウ。今年12歳になる甘えん坊な雄のポメラニアンだ。
ポコタロウは以前、ブリーダーさんのところで繁殖犬をしていた。そこの廃業で路頭に迷いかけたが、主人のいとこが見兼ねて預かっているときに出会った。
里親になってはや5年。最近は頭にチラチラと白髪も出てきたけど、それもいとおしい。
うちに来たばかりの頃は散歩をした経験がなかったため、リードをつけて歩くということがわからず苦労した。
今はお散歩も大好きで、近所の河原の土手を毎日たくさん歩いている。
ポコタロウは「お座り」ではなく「ちゃんこ!」と言うと座り、テーブルに置いたままのケータイから主人の着うたが流れてくれば吠えて教えてくれるお利口さん。
この5年の間に転勤で慣れない土地へ引っ越したり、母が病気になったりと、精神的にまいっていた私。泣いていると、必ずそばに来てくれた。今でも、私が映画などを見て泣いているときには、心配して顔をのぞき込んでくる。
一度、主人がもう一匹飼おうと言いだしたことがあったが、私はかたくなに断った。主人には悪かったが、ポコタロウに持てる愛情を全て注ぎたかったからだ。
ポコタロウは6年間、あまり愛情を受けず、寂しい思いで暮らしてきた。
今は何が何でも、その6年より長く私たちと過ごせるよう、努めていきたいと思っている。
ちょっと甘やかしすぎてわがままになっているとこもあるけれど、そこはご愛嬌。
今日も呼べば振り返る(写真)ポコタロウ。にこっとお互いほほ笑み合う二人であった。
(惟村[これむら]真希子さん 静岡県/36歳/主婦)
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