山田:NHKとテレ東という、かつての「番組表の両端」がすごく挑戦してきている感じですね。NHKの月~木の夜15分間のドラマ枠「夜ドラ」も面白い。
カトリーヌ:なかなか他がやらない社会派なテーマに切り込んでくるイメージですね。
山田:一番大きな変化は、とにかく若い世代の方がテレビを見なくなっているということ。一人暮らしだとテレビすら持っていなくて、TVerをスマホで見ている。傾向として「みんなが見ているものを見る」という感覚があるみたい。「損をしたくない」というか。
カトリーヌ:損?
山田:ドラマを60分かけて見たけれど面白くなかった時、「(費やした)私の時間を返して」ってなる。
カトリーヌ:ネットでいうと、ツイッターで視聴者同士が「実況」しながらドラマを見ることが増えていると感じます。ツイッターで話題になるように「ツッコミどころ」があらかじめ用意されているようなものもある。録画してしっかり見たい作品と、粗い部分も含めてツッコミながら楽しむ作品と、二極化してきているのかなと。
山田:「王様のブランチ」(TBS系)も、かつては視聴率ランキングでしたが、今は「つぶやかれた番組ランキング」に変わっていますからね。
カトリーヌ:メディアも今、転換期なのでしょうね。雑誌もウェブ化が進んで、スマホで見れるような時代になっている。
山田:それでも、今回の「週刊朝日」の休刊は本当にショックでした。私が連載(「楽屋の流行りモノ」)の中で紹介した商品が完売になったとか、人づてに聞いて反響の大きさを感じていたので、とても寂しいです。
カトリーヌ:私も、1996年のアトランタ五輪の時には現地で取材してファクスで編集部に原稿をお送りするなど、「週刊朝日」とは長いお付き合いでした。「てれてれテレビ」でも毎回、執筆もイラストも楽しく書かせてもらいました。良い思い出ばかりです。
──カトリーヌさん、美保子さん、長い間本当にお世話になりました。楽しい連載をありがとうございました。
(構成/本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2023年5月5-12日合併号