XCD 3,5/30mm
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中判ミラーレスの超広角レンズ

 中判ミラーレス機のX1D用の単焦点超広角レンズで、35ミリ判換算では24ミリ相当の画角になる。X1D用としては、45ミリF3.5や90ミリF3.2に続く3本目となる。夏には4本目となる120ミリF3.5マクロも予定されている。

 開放F3.5。大口径を狙わなかったのは、小型・軽量化と光学性能の余裕を得るためだろう。一方で、中判ミラーレスの先鞭をつけ、とくにコンパクトで携行性のよさを強調したX1D用の交換レンズならば高性能かつ小型・軽量化を兼ね備えるのは重要な要件だと考えたのかもしれない。

 光学設計はスウェーデンで行われているが、鏡胴にはMade in Japanの表記がある。

 X1D用レンズ共通のデザインで、距離指標や被写界深度指標が省略されているため色気がなく、目測でのスナップや、被写界深度目盛りを利用してパンフォーカスを狙うなど、旧来の超広角レンズの撮影方法は使えない。実焦点距離のとおり、被写界深度が特に深いわけではない。絞り開放では、合焦をしっかり見極めたい。

 とはいえ、その描写は秀逸。ピントの合った部分の線は細い。小型・軽量と相まって、幅広いシーンで使えるレンズだ。

銭湯の脱衣カゴ。至近距離でめいっぱいフレーミングした。合焦点は素晴らしくシャープ。味を語る焦点域のレンズではないが、ボケは素直でクセがなく好印象。わずかな周辺光量低下が画面を締めた。風景からスナップまで使いやすい●AE(絞りf4.8・90分の1秒)・ISO400・AWB・RAW

デザイン
色気に欠け、距離指標もないが、フォーカスリングの幅が広くMF操作でも安心。フードはバヨネット方式で花形

使用感・操作感
AFは速く、気持ちのよい合焦感覚。精度も極めて高い。最短撮影距離が0.4メートルと長いのは残念

描写性
コントラストが高く、開放絞りから実用。高精度の合焦精度、歪曲収差の補正もよくX1Dの性能を引き出す

◆赤城耕一

●焦点距離・F値:31ミリ・F3.5●レンズ構成:10群11枚(低分散ガラス1枚)●画角:71°●最短撮影距離:40センチ●最大撮影倍率:1:9.6●フィルター径:φ77ミリ●大きさ・重さ:φ83×88ミリ・550グラム●価格:実売47万5200円●URL:http://www.hasselblad.com/

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