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「国民の祝日に関する法律」によれば、春分の日は〈自然を讃え、生物をいつくしむ。〉とある。さらに、お彼岸の中日でもあり、ご先祖様のお墓参りをする人も多いことだろう。そんな祝日に、よりによってこんな醜悪なものをテレビで流すのはどういう魂胆なのか。

 テレビ欄には、「春分SP 今日も炎上? 上西小百合 vs.ハイヒールリンゴ生で大激突!」とある。〈リンゴが吠える!「ツイッター発言、失礼過ぎるやろ!」「大阪で二度と当選できると思うな!」安倍総理より石原元都知事よりバイキングは上西議員に注目します〉とも。そりゃ、どこもかしこも森友学園や豊洲市場移転問題をやる必要はない。が、だからといって、よりによって上西議員をぶっこんでくることはないのでは。そもそも、ハイヒールリンゴと犬猿の仲だと、どれほどの人が知っているというのか。というか、正直、知りたくもないが……。

 ことの発端はこうだ。リンゴが大阪の番組で自分のことをたびたび悪く言っていると知った上西議員がツイッターでリンゴを攻撃。番組では、ご丁寧に2人の発言をパネルにまとめていちいち説明し、それを本人たちにぶつけて、さらに揉めさせるという愉快犯のようなやり口だ。

 しかもその中身が、「化粧が濃い」だの「コメンテーターやる暇あったら漫才しろ」だの「目立ちたいだけだろ」だの、言った言わないのしょうもないレベル。上西議員の声はキンキンするし、リンゴの声はガサついているし。お互いに聞く耳は持たず、自分の非は認めず、相手を攻めるばかりで、もう見るに堪えないおぞましさだ。

 それをニヤニヤと見ているMC坂上忍ほかレギュラー陣。視聴者はこういうのがお好きなんでしょ、という感じがありありで、不快感ましまし。まともにディベートするのならまだ見所もあろうが、ただの勝気女同士の不毛な争いを延々見せられるだけでは得るものもなく。ただただ不快感がつのるのみ。

 個人的には、何が嫌かってリンゴも上西議員も大阪出身なこと。大阪女といえば、派手、ヒョウ柄、値切る、厚かましい、お喋り……とただでさえイメージ最悪なうえに、2人のおかげでやっぱり、と思われてしまうではないか。同じ大阪女としてはいい迷惑。頼むから箱根の山を越えてくれるな、という感じだ。

 番組のほうはといえば、典型的な炎上商法。視聴率欲しさにゲスさは増すばかり。日本のお昼に平和を取り戻せ! ということで、今月のダラクシー賞を贈りたい。

※『GALAC(ぎゃらく) 5月号』より

桧山珠美(ひやま・たまみ)/放送35周年を記念して創刊された「北の国から」DVDマガジンを試しに購入したが最後、全巻欲しくなってしまった。全32号。どうか資金が続きますように!