SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A025)
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SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A025)
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手ブレ補正内蔵の一眼レフ用大口径標準ズーム

 タムロンの開放F2.8通しの70~200ミリズームには、手ブレ補正搭載のモデルA009と非搭載のモデルA001がある。A009のうちニコン用とキヤノン用がモデルチェンジする。

 進化ポイントは新規光学設計で解像力およびコントラストの向上と色収差の排除、そして1.4倍と2倍のテレコンバーター、レンズをカスタマイズできるTAP-inコンソールにも対応したこと。

 手ブレ補正機構はクラス最高となる5段分を実現。通常のモード1、流し撮り用のモード2、シャッターが切れる瞬間のみ補正するモード3の切り替えとは別に、手ブレ補正のオン/オフスイッチがある。

 ただし、スイッチが割と軽い力で動いてしまうのは新SPシリーズ共通のこと。特にモード3ではファインダーで補正効果を確認できないので、カメラの持ち替え時など、気づかぬうちにVC(手ブレ補正)がオフになっても気づきにくい。切り替えたスイッチの下地に赤や黄でも色が見えるような簡単な仕掛けがあればよいとも思うのだがデザイン性重視なのだろう。

 大きさや重量はA009と比べてもさほど変わらず、高画素化が進む35ミリ判フルサイズ機に似合うレンズだ。

AFスピードは快適でフルタイムMFでの微調整も可能。ピント合焦点は極めてシャープで円形絞りのボケ味も軟らか。最近はより長焦点のズームレンズがはやりだが、やはり200ミリくらいが使いやすい。ズーム全域で最短撮影距離が0.95メートルと短いことも、他社に対するアドバンテージである●200ミリ時・キヤノン EOS5D MarkIV・AE(絞りf2.8・640分の1秒)・ISO100・AWB・RAW
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AFスピードは快適でフルタイムMFでの微調整も可能。ピント合焦点は極めてシャープで円形絞りのボケ味も軟らか。最近はより長焦点のズームレンズがはやりだが、やはり200ミリくらいが使いやすい。ズーム全域で最短撮影距離が0.95メートルと短いことも、他社に対するアドバンテージである●200ミリ時・キヤノン EOS5D MarkIV・AE(絞りf2.8・640分の1秒)・ISO100・AWB・RAW

デザイン
150~ 600ミリG2(モデルA022)に次いで本レンズも三脚座がそのままアルカスイス規格のクイックシュータイプになっているのは便利。

使用感・操作感
ズームリングが先端側でフォーカスリングがマウント側で各回転方向もニッコールと同じスタイル。真逆のキヤノンに慣れた手でもズームとフォーカスの手移動はこちらのほうがしやすく感じる

描写性
絞り開放からヌケのよいクリアな描写でポートレートから風景まで気持ちよく撮影できる万能ズーム。VCモード1ではピタッと止まることも手伝い、ファインダー像もすがすがしい

◆宇佐見 健

●焦点距離・F値:70~200ミリ・F2.8●レンズ構成:17群23枚●画角:34°21′~12°21′●最短撮影距離:0.95メートル●最大撮影倍率:1:6.1●フィルター径:φ77ミリ●マウント:キヤノン用、ニコン用(電磁絞り対応モデル)●大きさ・重さ:φ88×193.8ミリ・1500グラム(キヤノン用)、φ88×191.3ミリ・1485グラム(ニコン用)●価格:税別17万5000円●URL:http://www.tamron.co.jp/

※初出時、「デザイン」部分で「ただし三脚座が着脱できないのは残念」としていましたが、指標に合わせて三脚座を後ろにスライドさせることで脱着可能でした。

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