初めてのコンサートに向けて、都内の事務所で練習に励む高嶋弘之さん(本人提供)
初めてのコンサートに向けて、都内の事務所で練習に励む高嶋弘之さん(本人提供)
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 バイオリニストの高嶋ちさ子さんの父で、音楽プロデューサーの高嶋弘之さんが10月、都内で初めてのコンサートを開催する。91歳となった現在も講演やテレビ出演、執筆活動などを精力的にこなしているが、歌手ではない一般人が一人で歌うという企画にもかかわらず、チケットは発売からわずか10日で完売。キャンセル待ちの人気だという。

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 弘之さんは、1960年代の日本でのビートルズ・ブームの「仕掛け人」として知られ、現在は音楽プロデューサーとして活動している。仕事の合間にはテレビ出演やインタビュー取材を受けるなど、多忙な日々を送っている。一昨年はちさ子さんとテレビ番組「徹子の部屋」に出演、エッセー本も出版している。

 メディアに出るようになったきっかけは、ちさ子さんだった。

 8年前に妻を亡くした弘之さんが「このままだとボケちゃう」と、ちさ子さんがテレビに出演させ、飾らない人柄が注目を集めるように。「愛されるじいさん」になる秘訣や、ダウン症の長女との生活などについて書いたエッセー本を出した後には講演依頼が増え、全国を飛び回るようになった。

 そして、初めての「歌」のソロコンサートを10月21日に、東京・江東区のティアラこうとう小ホールで開催する。ちさ子さんは出演せず、一人で2時間の歌とトークの舞台に上がる予定だ。

 チケットは10日で完売したといい、その人気ぶりに弘之さんは「私が一番驚いています」と話す。
 

――コンサートを開催することになった経緯は。

 今年は「昭和100年」。昭和といえば「昭和歌謡」です。素晴らしい歌がいっぱいある。それをみんなに知ってもらいたい。

 そして僕は歌が大好きで、いつもどこかで鼻歌歌っている。「意外といけるんじゃないですか」なんて周囲の声に押されて、ノリで決まったんです。

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