
六回裏にすぐさま反撃。先頭の宜野座からの3連打などで同点に追いつくと、一塁側の沖縄尚学アルプススタンドのボルテージは最高潮に。緑色の棒状応援具が上下に大きく揺れ、声量は周囲を飲み込むように増していく。
七回裏には2死から宜野座が「1本で流れを変えるため本塁打を狙ってフルスイングした」と、左翼フェンス際まで打球を飛ばし三塁打。続く比嘉大登の適時打で勝ち越した。
六回途中から継投した同じく2年生の新垣有絃(ゆいと)はテンポよく5奪三振と好投。リードを守り切って決勝進出を決めた。
山梨学院は菰田が右ひじを痛め一回で降板したのが誤算。継投した2年生左腕・檜垣瑠輝斗(ひがき・るきと)が好投するも、打線に終盤あと1本が出ず及ばなかった。
これまで沖縄尚学は選抜での優勝はあるが、夏は8強が最高成績だった。歴史を塗り替える目標は4強入りですでに果たしたが、まだ足りない。真喜志は力強く言った。
「もっと塗り替えて、深紅の大優勝旗を持ち帰りたい」
(AERA編集部・秦正理)