「直球の質を磨くことにフォーカスしたほうがいい」

「佐々木の変化球はスプリット、スライダーの2種類と少ないのでツーシームで投球の幅を広げる意味合いがあると思うのですが、ツーシームに頼ると、直球の球質に影響する可能性があります。自分も現役時代にツーシームを投げた時期があったのですが、直球を投げる際に指先の感覚が失われて、球速が落ちてしまった。球をずらして打者の芯を外す投球スタイルには有効な球種だと思うのですが、フォーシームが生命線のパワーピッチャーは投球のバランスを崩すリスクがある。色々考えていると思うのですが、直球の質を磨くことにフォーカスしたほうがいいんじゃないでしょうか」

 ドジャースの先発陣は山本由伸、グラスナウ、カーショー、スネルの4枚に加え、大谷翔平が完全復活に向けて順調にイニング数を伸ばしている。さらに、25歳右腕・シーハンが20日のロッキーズ戦に先発し、6回6安打7奪三振4失点で今季4勝目をマークした。佐々木が先発陣の序列をひっくり返してメジャー再昇格を果たすには、パフォーマンスを上げなければ厳しい。

 直球が常時160キロ台前後を連発していた佐々木の球速が低下したのは、ドジャースに入団してからではない。ロッテ時代の昨年も直球の平均球速が3キロ以上落ち、三振奪取能力が大幅に下がった。昨オフにポスティングシステムでメジャー挑戦した際は、佐々木の代理人ジョエル・ウルフ氏が「球速が低下した原因を分析し、二度と起こらないようにする計画を提示してほしい」と獲得を目指す各球団に要請していた。

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