そして最も足が使える五十幡もレイエス、水谷と同様にソフトバンク戦を苦手としており、ここまで打率は1割を切っている。持ち味の長打力が発揮できず、1点を奪う野球に切り替えようとしてもリードオフマンも封じ込められているというのが、ソフトバンクとの直接対決での現状と言えるのだ。
まずはここまで名前を挙げた3人が、ソフトバンク戦でしっかり持ち味を発揮できるかが、極めて重要になってくるだろう。
一方、投手陣でのキーマンとして挙げたいのがやはりエースの伊藤大海だ。ここまでリーグトップの12勝をマークしているが、ソフトバンク戦では5試合に登板して2勝3敗と負け越しており、防御率も3点台となっている。
そのなかでも相手のエースであるモイネロとの直接対決が4試合あり、4月29日こそ9回1失点で勝利を挙げたが、それ以外の3試合は負け投手となっているのだ。8月10日の試合では1失点完投しているだけに、試合内容的には伊藤を責めるのは酷ではあるものの、やはりエースでライバルに勝ち切れていないというのはここまでの両チームの差になっている部分ではないだろうか。
ちなみにモイネロは伊藤との直接対決を含めて日本ハム相手に6戦に先発し、6先発全てでQS(クオリティ・スタート)を達成、4勝、防御率1.02という圧巻の投球を見せている。今後の直接対決でも伊藤の登板は予想されるだけに、エースらしい投球でチームに勝ちをもたらすことができるかが重要になりそうだ。
両チームのあらゆる成績を見ても拮抗していることは確かで、それだけに直接対決が重要になってくることは間違いない。打線ではレイエス、水谷、五十幡、投手では伊藤が他のチームの時と同様のパフォーマンスを見せることができれば、ここからの逆転優勝も見えてくるのではないだろうか。
(文・西尾典文)
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