
国内興行収入100億円到達が目前の「国宝」。ヒットの要因のひとつにリピーターが多いこともあげられる。SNSでは「3宝目」「10宝目」という人々の声が続々とあがり、考察も深まっている。人はどうやって「国宝」に接し、“国宝沼”にハマっていくのか? 7月末に開催した「AERAシネマカフェ 映画『国宝』を語り合おう!」で、国宝ファンの2人に語ってもらった。(一部ネタバレにご注意ください。)
【写真】吉沢亮と横浜流星の子ども時代を演じたのはこの2人!編
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原作から入るか、歌舞伎から入るか?
――お二人の「国宝」との出会いを教えてください。
Aさん 私は実は原作をまだ読んでいなくて、逆に先入観なしに映画館に行ったんです。歌舞伎鑑賞歴10年でそこそこ見ているつもりなので、いわゆるちょっと斜めに捉えていたというか、歌舞伎役者ではない方がどう歌舞伎に向かわれて、スクリーンで演じられるのか?と、思っていた部分がありました。
Bさん 私は歌舞伎をほとんど見たことがないんです。でも吉沢亮さんが好きで、2、3年前に原作を読んだ時点で「これは吉沢さんにぴったりじゃないの? できたらやってくれんかな」みたいに思っていた。そしたら本当にそうなって驚きました。でも実際、見てみたら原作と映画は全く別もので、びっくりしたくらいです。吉田修一先生と李相日監督が同じ素材で全く違う話を作られたという気がして。なので逆に原作未読の方や歌舞伎を普段見られている方の感想がすごく気になっていました。吉沢さんも横浜流星さんも1年半の稽古を積んだということですが、歌舞伎を知っている方が納得できるものなのだろうか?と、ファンとしては怖くもありまして(笑)。
Aさん 1回目を見終わったときの感想は「歌舞伎役者であるとかないとか、もうどうでもいい!」です。そこにこだわっていた自分がもうなんか本当に恥ずかしいぐらい、どこをどう切り取っても素晴らしい作品でした。
Bさん うわ、よかった(笑)。
Aさん いま職場の人とか同級生とか、いろんな人を巻き込んで、「国宝沼」に一人一人陥れています。今日も上司から「見たよ」って報告をいただいてニヤニヤしながら帰ってきました(笑)。