
5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
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case.100 「片づけができない」と自分を決めつけていた 一人暮らし/幼稚園教諭
家はプライベートな空間なので、どれほど散らかっていても周囲の人にはわかりません。暮らしていくのに困らなければ、「片づけよう」という気持ちにもならないでしょう。
今回ご紹介する女性は、そうやって10年以上散らかった家で生活していました。
「15年ほど前に離婚して、子ども2人と3人で暮らすことになりました。本業以外にもパートタイムの仕事をいくつかやっていたので、片づけまで手が回りませんでした」
彼女は、結婚する前は母親がすべての家事をこなしていたので、家事全般が苦手。
離婚前は、散らかると元夫が片づけてくれていました。でも、3人で暮らすようになってからはどんどんモノが増え、どこかでリセットするタイミングもなく、部屋が散らかっていることが当たり前の状態に。
「娘が『片づけようよ』と言ったこともありましたが、私は『えーっ』と言って無視していましたね。片づけは、私にはできないことだとずっと思い込んでいました」
子どもたち2人が独立して一人暮らしが始まり、しばらく経った日のこと。彼女は、お風呂上りに貧血のような症状で意識を失い、目が覚めたときには朝になっていたことがありました。
「それがあってから、いつ何があってもおかしくないんだなと思ったんです。私は一人暮らしだし、もし救急隊の人が急に家に入って来たりしたら、散らかった状態を見られちゃうと思うと恥ずかしくて!」
これまでガスの点検も断り、壊れたシャワーの修理も呼べていません。宅配便を受け取るのもドアを少しだけ開けてすばやく自分が外に出てから受け取っていました。家の中はちらりとでも見せないようにしていたのです。