告訴された立花氏
告訴された立花氏

県警本部長の「全否定」後も続いた誹謗中傷

 このころから竹内氏は「犯罪者扱いされている」と不安を訴え、病院通いを始めた。そして年が明けた今年1月18日、竹内氏は自ら命を絶った。

 竹内氏の死後も、立花氏の攻撃は続いた。1月19日に街頭演説した立花氏は、

「兵庫県のほうで竹内さんという県議、昨日、自殺でお亡くなりになったという情報が入ってきました」
「任意の事情聴取が繰り返されていて明日逮捕する予定であったところ、本人は逮捕される前にも自ら命を絶ったのではないかと。お亡くなりになったといっても自業自得であったとしか言いようがない」

 などと発言。自身のXでは、

「こんな事なら、逮捕してあげた方が良かったのに」

 とも投稿した。

 これに対し、兵庫県警の村井紀之本部長は翌20日の県議会で、竹内氏が捜査対象になっていたという立花氏の発言や発信について、

「全くの事実無根であり、明白な虚偽」

 と全否定した。

 立花氏もこれを受けて、いったんは発言を削除して事実ではないと認めたが、その後も、故人を誹謗する発言を続けている。

「竹内県議はかなりでっちあげをしてたことは、多くの人わかってらっしゃると思う」(1月20日のYouTube)

「政治家が中傷されたくらいで死ぬなボケ。悪いことしてるから死んでるんやろ」(3月8日の街頭演説)

「このような耐え難いことがあるでしょうか」

 8月8日の会見で、竹内氏の妻はこう訴えた。

「私たちは、どこからともなく浴びせられる攻撃に日夜さらされ、何が起こるかわからない不安に絶えずさいなまれ続けました。いつ終わりが来るのか、いつまで耐えればいいのかもわからず、絶望の中で、ただ息を殺して時が過ぎるのを待つことしかできませんでした」

「夫が命を絶ってから、半年が過ぎましたが、恐ろしいことに、一度出た言説はいつまでもしぶとく、今も残り続けています。反論することのできない死者を愚弄し、蔑み、死してなお辱めを与える。悲しみの底に沈みもがき苦しむ私たち遺族にとって、このような耐え難いことがあるでしょうか」

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